世界経済フォーラム(WEF)が2022年7月13日に発表した、男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2022」によると、日本は146カ国中116位という結果でした。この記事では、IT分野にも存在する日本のジェンダーギャップと次世代の教育においてできることについて、ロボットを使ったプログラミング学習教材を国内外で展開している、ソニー・グローバルエデュケーション取締役会長で、2人の娘の父でもある礒津政明さんに聞いていきます。

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ITの世界は女性が少数派。背後にあるものは何か

 2021年9月に発表された経済協力開発機構(OECD)のデータで、大学などの高等教育機関に入学した学生のうち理系分野に占める女性の割合を見てみると、比較可能な36カ国の中で日本は最も低い割合でした。加盟国の平均が自然科学・数学・統計学の分野で52%なのに対し、日本は27%。工学・製造・建築の分野では平均が26%、日本は16%でした(※1)。

 理系分野での男女の偏りは教育面だけでなく、人材不足が課題のIT業界でも見られます。情報サービス産業協会の「2021年版 情報サービス産業 基本統計調査」によると、女性のITエンジニアは21.9%にとどまっています(※2)。

 著しい成長を見せるIT業界は新しい価値を次々に生み出す産業です。ITエンジニアは世界的に見ると高収入の花形職業です。そのIT分野に進む可能性を開く理系の学びでも、仕事の現場でも女性の割合が低いことに対して、礒津さんは「興味を持つ女性が増えてほしいと切実に思っています」と話します。

 「どの企業でもダイバーシティー&インクルージョンが重要視される今、男女比をそろえることはダイバーシティーの基本中の基本だからです。コンピューターサイエンスを活用して社会の仕組みやプロダクツをつくる際、つくり手側にジェンダーの偏りがあると、意図しなくても性差別が生まれてしまう恐れがあります

 礒津さんは日本で理系分野を学ぶ女性が少ないことや、IT業界に女性が少ないことについて、次の理由があるのではと話します。詳しく聞いていきましょう。

【ITの世界に女性が少ない理由】
理由1 女性は理系に向かないというアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)

理由2 進路選択後に、大学で専攻分野の変更がしにくいこと

理由3 ITの仕事は数学が得意でないと務まらないという思い込み