一生元気にスタスタ歩ける足腰を目指したい! そのためにはO脚などの脚のゆがみを放置せず、関節や軟骨をいたわり、正しく動かす習慣が不可欠。第1回は、美しく立ち、足腰を健やかに保つ基本の歩き方について。膝関節手術の名医、一宮西病院整形外科部長の巽一郎医師が、実際に患者さんに指導している関節を守る歩き方です。早くから習慣づけて、痛まない足腰をつくりましょう。

一生使える足腰のつくり方
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一生歩き続けられる足腰には、膝のケアが重要

 「生涯、元気に歩き続けたい!」。そう思っていても、年齢とともに膝の痛みや違和感を覚えるようになる。

 膝の痛みを引き起こす原因のうち、最も患者数が多いのが「変形性膝関節症」だ。膝関節を支える筋肉や軟骨、靱帯がうまく機能しなくなり、痛みが起こり歩行が困難となっていく。症状が進むと膝関節に水が溜まり、骨そのものが変形することも。痛みによって日常に支障が生じると、最終的には人工膝関節を入れる手術が必要になる。

 国内で実施された大規模調査によると、40歳以上の変形性膝関節症の有病率は男性42.6%、女性62.4%と女性で特に多いことがわかっている(データ:Int J Epidemiol. 2010 Aug;39(4):988-95.)。

 「本来、膝関節に均等にかかるべき力が内側、あるいは外側ばかりにかかり続けることによって軟骨がすり減ると、歩き出しや階段の上り下りの際に膝が痛むようになる」と話すのは一宮西病院整形外科部長の巽(たつみ)一郎医師。加齢による老化現象だから、膝が変形したり、痛くなることは仕方がないこと……とあきらめるのは早い。「膝が痛むのには原因がある。その原因を改善しさえすれば、痛みは軽減し再発も防いでいける」と巽医師。

一生歩き続けられる足腰には、膝のケアが重要

 その原因とは、O脚やX脚によって「アンバランスな負荷が膝関節にかかり続ける」こと。特にO脚は、変形性膝関節症患者の9割を占めているという。