一生元気にスタスタ歩ける足腰を目指したい! 膝を傷めない立ち方、歩き方をマスターしたら、同時にスタートしたいのが、「足指にぎり」と「足振り子」。いずれも一宮西病院整形外科部長の巽一郎医師が、変形性膝関節症患者に指導し、痛み軽減という効果がはっきりと出ているメソッドです。

一生使える足腰のつくり方
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自前の膝サポーター、「大腿四頭筋」を鍛える

  「足指にぎり」は、太ももの前側にある「大腿四頭筋」を鍛えることが目的。イスに座った状態で行うので、すでに膝に痛みがある人でも膝関節に負担をかけることなく、目的の筋肉を鍛えることができる。

 「大腿四頭筋は、自前の膝サポーター。この筋肉がしっかり働くようになると、歩くときにも膝が左右・前後と動揺せず安定するようになり、微小骨折も起こりにくくなる」(一宮西病院整形外科部長の巽一郎医師)

 膝が痛むときにサポーターをすると楽にはなるが、「その裏で大腿四頭筋はなまけて衰えていき、膝関節のグラグラは改善していかない」(巽医師)。

 足指にぎりは足を水平に上げてつま先を手前に引き、足指をぎゅっと握る。太もも前側を触ると硬く収縮しているのがわかるはず。「3カ月も続けると、膝を安定して支えられるようになる。太ももの筋肉の脂肪が減少し“赤身肉”に変わることで血流もよくなり、新陳代謝が高まる」(巽医師)。

膝の骨がぶつかるのを防ぎ、痛みにくくする【前ももの筋肉】
膝の骨がぶつかるのを防ぎ痛みにくくする【前ももの筋肉】
 膝痛があるとき、サポーターをつけると関節が固定されて安定し、動くのが楽になる。「このサポーターの働きを担うのが、大腿四頭筋」(巽医師)。軟骨がすり切れてくると関節が不安定になるが、大腿四頭筋を鍛えると、歩く際にぐらぐらしにくくなり、軟骨も守られる。膝関節を支える靱帯もダメージから守られ、膝痛が改善する。

 次のページで足指にぎりのやり方を紹介する。