四十肩・五十肩で腕が上がらない、肩こりがひどく気分もうつうつ……共通の原因は「動きをなくした肩甲骨」! 肩甲骨周囲の固まったファシアをゆるめて動きやすくする「肩甲骨ほぐし」で、首と肩を整えましょう。前回紹介したあなたの「ファシアのカチカチ度」レベル別に解決法をご紹介します。
・肩こり・四十肩を防ぐ 肩甲骨とファシアの基礎知識【1】
・一生使える肩の整え方 レベル別「肩甲骨ほぐし」【2】←今回はココ
・うたた寝には注意!肩こりを防ぐ生活習慣と治療法【3】
Type1. 猫背だと老けて見える! 肩こり予防・美姿勢に30秒!
30分じっとしたらこれでリセット【肩甲骨はがし】
前回紹介したチェックで、腕が無理なく上がったものの、肩こりや猫背が気になる、という人は、これらの不調を予防する「肩甲骨はがし」を始めよう。
私たちが日々、長時間続けているデスクワークは「4~5kgの重たい頭をのせて前傾姿勢を保持するという、首や肩にとってはかなりの重労働」と、東京医科大学医学部医学科准教授の遠藤健司さん。
巻き肩になると、肩、背中を覆う僧帽筋や、肩甲骨を引き上げる動きに関わる肩甲挙筋や周囲のファシアが癒着し、「肩こり」が慢性化する。
「首を前屈したまま動かさない状態が30分以上続くと、首の付け根の筋肉の血流が乏しくなる。すると僧帽筋と肩甲挙筋のファシアの滑走性が低下して肩に凝りや痛みが出てくるようになる」(遠藤さん)。
まず、肩甲骨の動きを邪魔している「僧帽筋と肩甲挙筋のファシアゆるめ」を行ってから、「肩甲骨はがし」をしよう。ゆっくりと、ひじを限界まで遠くに動かすこと。「5回ほどで息が上がってきたら正しくできている証拠」(遠藤さん)。回数を重ねるごとに肩甲骨の動きがよくなってくる。デスクワークの合間には「ハンモックポーズ」で姿勢をリセットして。
