肩こりがひどいときはどんなことに注意する必要があるのでしょうか。思わぬ病気が隠れている場合もあります。今回は、肩の痛みを防ぐ生活習慣、そしてどういった場合に受診すべきか、病院での治療法まで──東京医科大学の東京医科大学医学部医学科准教授の遠藤健司さんに聞きました。
一生使える肩の整え方
・肩こり・四十肩を防ぐ 肩甲骨とファシアの基礎知識【1】
・一生使える肩の整え方 レベル別「肩甲骨ほぐし」【2】
・うたた寝には注意!肩こりを防ぐ生活習慣と治療法【3】←今回はココ
Q. 肩こりをひどくしないために気をつけることは?
A. 背中の筋肉をよく動かすこと。うたた寝しがちな人、寝返りを打てない人も要注意。
肩こりがつらくなるともんだりマッサージを受けに行くという人が多いはずだが、「それらの対処には限界がある。また、強く叩く、もむという刺激により筋肉組織やファシアが傷つくと、修復された後に線維化(硬くなる)が起こり、治るどころか硬さが増してより辛くなることがある」(東京医科大学医学部医学科准教授の遠藤健司さん)。
外側からのケアよりも効果が高いのが、前回紹介した「肩甲骨はがし」などで関節ごと体を動かすこと。30分間の不動姿勢によって凝りや痛みが悪化することはすでにお伝えしたとおりだが、「ずっと首や肩に同じ負荷をかけ続けるうたた寝も要注意」と遠藤さん。
つい集中してデスクワークが長引いたときや、うたた寝してしまった後は「ハンモックポーズ」で応急処置を。カチカチになった首、肩まわりをこまめにゆるめよう。
また、就寝中にずっと同じ姿勢でいる人、あまり寝返りをしない人は、次のページで紹介する「ゴロゴロ体操」がお薦め。「寝姿勢のときも30分以上動かないと圧迫された部分の血流が滞り、関節周囲のむくみが悪化する。これが起床直後の寝違えやギックリ腰の原因にもなる」(遠藤さん)。寝返りをするときには、肩関節と骨盤の動きが必要になる。「ゴロゴロ体操」で2つの関節の柔軟性を高めておくと自然に寝返りを打てるので、眠りも深くなる。