肩こり、腰痛、姿勢の崩れ。年々増すお悩みを解決しようとトレーニングにチャレンジしたものの、体形が崩れたり、痛めてしまったり、効果を実感できないという悩みがありませんか? その原因、実は筋肉を使う「順番」にあるかもしれません。「姿勢が良く、痛みがない人は、それができている」と指摘する、整形外科医で早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授に教えてもらいました。

痛まない、美姿勢の人は知っている「体幹の新事実」
・肩こり、腰痛の人が知らない 「体幹」の正しい使い方【1】←今回はココ
・尿もれ・猫背解決!「体幹深層筋を使う順番」をマスター【2】
・体幹研究の第一人者も実践「体幹ピラティス&ヨガトレ」【3】
・動いてもブレない体幹でもう痛まない ボディメイクも【4】

体幹はシーンごとに「使い分ける」ことで凝り・痛み知らずに

 実は体幹は、日常生活やスポーツをするときといったシーンごとに、「正しい使い方が異なる」ことがわかってきた。休んでいるとき、日常生活の動き、スポーツをするときなど、動きの種類ごとに理想的な体幹の使い方があるのだという。下は、5つのシーンごとの体幹の使い方を図式化したもの。赤いラインで示した4つの筋肉(腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜)が体幹を支える主な筋肉。赤いラインが太くなっている筋肉は、そのシーンでしっかり働くべき筋肉を示している(詳しくは後半で解説する)。

 そもそも、体幹が正しく使えていない状態とは、どんな状態なのだろう。

「体幹」が使えていない状態とは?

 体幹が使えない状態とは? 上の2つの図を見てほしい。体幹の深層筋(インナーマッスル)である腹横筋、背骨の際にある多裂筋(左図の細い赤線で表示)、骨盤底筋群、横隔膜(いずれも右図の赤い破線で表示)がきちんと働いていない状態のこと。お腹の力が抜けていて前かがみ姿勢になったり、骨盤が後傾して下腹が出るなど、姿勢の悪化やそれに伴う凝りや痛みといった不調の原因になる。

「腰痛、肩こりに悩む人は、正しい姿勢を保持する深層筋の使い方に課題がある」と話すのは、早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授。「現代人に多い前かがみの姿勢は重心が前に出ることで、重い頭を支える背中や肩、首の筋肉を使いすぎてしまう。深層筋がうまく働くと肩甲骨や骨盤が正しい位置に戻り、姿勢がよくなる。すると、腰痛や肩こりの要因である筋肉の使い過ぎを抑えられる

 さっそく次のページで、シーンごとの理想的な体幹の使い方を見ていこう。