「体幹の新事実」連載の最終回は、ピラティスの呼吸と、ヨガのほぐし効果のいいとこどりで、正しい体幹の使い方を体にインプットできる最強のメソッド「体幹ピラティス×ヨガ」の後編を紹介する。今回は、手足を動かすときも「モーターコントロール」がしっかり働く体幹づくりと、日常生活で使える体幹にまでステップアップするためのチャレンジポーズにトライ。ボディメイクにも効果的なので、繰り返し実践してマスターしよう。

痛まない、美姿勢の人は知っている「体幹の新事実」
・肩こり、腰痛の人が知らない 「体幹」の正しい使い方【1】
・尿もれ、猫背なら「筋肉を使う順番」が違っているかも【2】
・たった7種目!誰でも体幹の正しい使い方が身につく【3】
・動いてもブレない「体幹」に!ボディメイクにも効果的【4】 ←今回はココ

骨盤を動かすことで背骨の動きを引き出す

 背骨の屈曲と伸展の動きを繰り返すポーズ4の「キャット」は、第3回の「たった7種目!誰でも体幹の正しい使い方が身につく」)の冒頭で紹介したポーズ1の「ロールアップ」に似た背骨の運動のように見えるが、こちらは常に骨盤を起点に、背中を丸める、反らすの動きを繰り返す。

最も大事なのは骨盤をしっかり前後に傾けること。キャットは骨盤を前傾、後傾するところから背骨の動きが始まり、頭部に向かって一つずつ椎骨が動き、最後に頭が動く」(早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授)。

 四つ這いは、腹部が下がり、腹横筋の力が抜けやすいので難易度もアップ。「最後は目線が大事。腹部を見ることで、自然と引き上がりやすくなる」(本橋さん)。

 

骨盤から前後に傾けて背中を柔らかくするポーズ4「キャット」

 骨盤を起点に椎骨一つひとつを滑らかに動かしていこう。腹横筋の力が抜けやすいのでお腹を引き上げる意識を常にキープしよう。

【START】
両手両ひざを床につき、四つ這いになる。両ひざは股関節の真下で腰幅に開き、おへそを背中のほうへ軽く引き上げる。

次に、下の写真の動きと2つセットで5回繰り返そう。
息を吸いながらお尻の穴を天井のほうへ向けるイメージで骨盤を前傾させて、骨盤から脊椎を一つひとつ動かす意識で胸を開いていく。

続けて息を吐きながら、お尻の穴を床のほうに向けるイメージで骨盤を後傾し、骨盤から脊椎を一つ一つ動かすイメージで背中を丸くし、肩甲骨を左右に広げていく。

なお、腰を強く反るのはNG。腰椎の伸展は15度までが正常範囲。反りすぎは腰を痛める原因になるので注意しよう。