以前に比べて頭皮が硬くなったような気がする……。もし心当たりがあるなら、「頭皮の老化」が始まっているサインかもしれません。本特集では、加齢に伴う頭皮に起こる変化や髪への影響、男性と女性の頭皮の違い、お薦めの頭皮ケア方法などを、薄毛治療に詳しい医師に聞きました。

頭皮ケアの真実
・薄毛、抜け毛対策に頭皮はほぐすべき?頭皮ケアの正解は【1】 ←今回はココ
・医師に聞く ガイドラインに基づいた薄毛治療とは【2】

「頭皮もみ」の効果は? やり方のポイントは?
「頭皮もみ」の効果は? やり方のポイントは?

 自分ではなかなかわからない頭皮の厚さ。しかし加齢とともに薄くなる傾向にあるという。それだけでなく、「毛量が少ない人の頭皮は、毛量が十分ある人に比べて薄いことがMRI(磁気共鳴画像装置)を用いた研究でわかった」と数多くのAGA(薄毛)診療実績を持つDクリニック新宿院長の小山太郎さんは話す。

 頭皮は最も外側にある表皮とその下の真皮、さらに真皮の下にある皮下組織から構成される。薄毛部位では特に皮下組織の厚みが薄くなっているという。「皮下組織に存在する脂肪細胞には毛髪の成長期に関わるレプチンを産生する働きがある。皮下組織が減ると、この働きが低下し、毛周期に悪い影響が生じる可能性がある」(小山さん)

【頭皮と老化】知っておきたい3つの特徴
1 薄毛の頭皮は、ふさふさ毛の頭皮に比べて薄い
「超高分解能MRIを用いて男性型脱毛症の客観的評価を行ったところ、脱毛の進んだ部位では頭皮の特に皮下組織が薄く、毛髪を作る毛母細胞が存在する毛包の底部が浅くなっていることを確認した」(小山さん)
顔の皮膚と同じように、頭皮も年齢とともに表皮、真皮ともに薄くなる。薄毛の頭皮ではその下にある皮下組織の層も薄くなることが確認されている。
顔の皮膚と同じように、頭皮も年齢とともに表皮、真皮ともに薄くなる。薄毛の頭皮ではその下にある皮下組織の層も薄くなることが確認されている。
脱毛が進行している頭皮と、毛量が十分な頭皮はこう違う
脱毛が進行している頭皮と、毛量が十分な頭皮はこう違う
27人の20代~60代の男性を「頭頂部で男性型脱毛症を認める群」と「頭頂部の毛量が十分ある群」の2つに分け、MRIを用いて頭皮を撮影。2人の放射線科医が頭皮の厚さと毛包の深さを分析した。毛量が十分にある群よりも、男性型脱毛症を認める群において頭皮全体の厚みは有意に薄く、毛包の深さは有意に浅かった。(データ:Skin Res Technol; 27(1),56-61,2021.平均値をもとに編集部が作成)
 
2 頭皮は加齢で薄くなり、硬く動かしにくくなる
頭皮の硬さや動かしにくさは老化のサインの一つと考えられる。ただし、「頭皮の薄さや硬さが直接的に薄毛や抜け毛などの原因になるわけではない」(心斎橋いぬい皮フ科院長の乾重樹さん)。
3 脱毛や薄毛が生じやすい頭頂部付近には筋肉がない
前頭筋と後頭筋の間にあり、頭頂部を広く覆う「帽状腱膜」は筋膜であり、筋肉ではない。「皮膚の下に筋肉がないのは全身の中で頭頂部だけ。自分の意思では動かせないので、外からもむなどのケアが必要」(小山さん)。