暑い時期は、マスク蒸れで毛穴のトラブルやニキビが増加しやすいため、朝と夜のケア方法を前回お伝えしました。今回は、皮膚科や美容医療でニキビや毛穴目立ちを改善する方法をご紹介します。

皮膚科医に聞く 毛穴悩みを改善するスキンケアの正解
・皮膚科のニキビ治療は格段に進化 毛穴対策に美容医療も ←今回はココ

ニキビは早めの皮膚科受診がお薦め

 毛穴が古い角質や余分な皮脂で詰まると、白ニキビや黒ニキビと呼ばれる面ぽう(コメド)が発生。さらに毛穴の内部にアクネ菌が増殖すると炎症が起こり赤ニキビになり、進行すると化膿して膿疱(のうほう)と呼ばれる状態に。

 「年齢とともに皮脂分泌量は減少しニキビはできにくくなるが、昨今のマスク生活で年齢を問わずニキビに悩む人が増えている。マスク内部が呼気によって蒸れ、皮脂が増えてアクネ菌が増殖しやすくなるのが要因と考えられる」(札幌皮膚科クリニック院長の安部正敏さん)。

40代前後はニキビと見分けがつきにくい症状も増加

 肌のターンオーバー(新陳代謝)が低下傾向にある40代以降は、適切なケアや治療をしないとニキビ跡になりやすい。

 「近年のニキビ治療は格段に進化し、アダパレン(薬品名ディフェリンゲル)や過酸化ベンゾイル(薬品名べピオゲル)といった保険適用の治療薬で効果が確認されている。面ぽう(コメド)の段階でなるべく早く皮膚科を受診し、医師の診断のもとに処方してもらうのがお薦め」(安部さん)。

ニキビ治療ガイドライン推奨の薬剤リスト
ニキビ治療ガイドライン推奨の薬剤リスト
「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」(日本皮膚科学会)を基に編集部で作成。クリニックなどで行われている面ぽう圧出やビタミンC外用、ケミカルピーリングはいずれのレベルのニキビに対しても推奨度C1(選択肢のひとつとして推奨する)とされている
薬剤や有効成分配合コスメは、横塗りで浸透力アップ
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薬剤や有効成分は皮膚の比較的深い部位である真皮に到達するよう、しっかり吸収させることが大切。「皮膚のキメやシワに沿って横方向に塗ることで、表皮細胞やその隙間から薬剤や保湿剤が浸透し、成分を吸収しやすくなる」(安部さん)