タイプ1と2の動かし方の違いは?
さて、AとBは、明快だ。しかし、1と2ではどう違うのか。
「例えばバランスをとろうとするとき、1タイプは、人さし指を意識し、2タイプは薬指を意識することで安定感が出ます。新体操では、ボールをキャッチするときにどちらの指を意識しているかは、このタイプによって違いがありました」
また、1タイプは内側重心で上腕や太ももが内旋したほうがパワーを感じやすく、2タイプは外旋したほうがパワーを感じやすいという特徴もある。ただ、今回のテーマ、「歩き方」では、クロスとパラレルのほうが影響が大きそうだ。
クロスとパラレル 腕の振り方の違いとは
ここで、もう一つの分類、クロスとパラレルを教わろう。
「A1とB2はクロスタイプ、A2とB1はパラレルタイプになります。クロスタイプは、体の前側に意識があるので、自然と前面を使って体を動かします。パラレルタイプは体の後ろ側に意識があり、背面を使って体を動かします。そこで、同じみぞおちや首の付け根、股関節といっても、前側や後ろ側など、軸を意識する部分が少し異なります」
速く歩こうとしたときに、A1とB2のクロスタイプは、腕を交互に交差させるように振るという。つまり、ひじが体の前側にくる。一方で、A2とB1のパラレルタイプは、腕を真っすぐに振ることができる。クロスタイプが真っすぐ腕を振ろうとすると、窮屈になり、うまく走れないことにもつながりかねない。
「ちなみに、マイケル・ジャクソンさんはパラレルのA2タイプだったと考えられています。スリラーのダンスでは、右手と右足が同時に動くパラレルタイプの特徴的な動きをしていますね」
疲れない歩き方のタイプ別のポイントを参考に、ぜひウオーキングしてみてほしい。
元 日本体操協会 新体操強化本部長、レッシュ(4スタンス理論)マスター級トレーナー

イラスト/二階堂ちはる 写真/洞澤佐智子 構成/市川礼子(日経xwoman ARIA)、白澤淳子