長期化するマスク生活で圧倒的に増えている顔の悩みが「たるみ」。肌ダメージを避けながら、たるみを改善するマッサージの正解が化粧品メーカー各社の最新研究でわかりました! コーセー、資生堂、ロート製薬、各社の最新研究と開発メソッドを3回にわたって紹介します。毎日続けることで変化を実感する声は多いといいます。今回はコーセーのメソッドをご紹介します。 

たるみリセットマッサージ
・コーセーが研究 頬の立体感が増す美容筋膜マッサージ ←今回はココ
資生堂が開発 つまみ刺激で顔のたるみにアプローチ
ロート製薬が発見 わずかなテンションが肌のハリを改善

 近年、真皮の奥にある脂肪層やSMAS(スマス:表在性筋膜)とたるみの関係について研究が進み、CT画像やMRI画像でその構造などが明らかに。より皮膚の深い部分にアプローチするメソッドも開発されている。

 研究でわかった顔がたるむプロセスを知り、フェイスマッサージで改善しよう!
研究でわかった顔がたるむプロセスを知り、フェイスマッサージで改善しよう!

 コーセーでは朝晩2回のフェイスマッサージを2週間続ける試験を行い、CT画像による解析でSMASの幅と脂肪層の厚み、それぞれの減少を確認している(下記囲み画像参照)。

フェイスマッサージによる頬のたるみ改善効果をCT画像で実証!
SMAS(表在性筋膜)の幅が減少し、引き締まった
SMAS(表在性筋膜)の幅が減少し、引き締まった
29~37歳の男女5名の被験者が1日2回、乳液を塗布しながらセルフマッサージを2週間継続。あおむけの状態で撮影した顔面のCT画像を用いて試験前後の変化を解析したところ、左右の頬のSMASの幅が平均約1.2mm(平均0.94%)減少した。(画像提供/コーセー)

脂肪層の厚みが減り、リフトアップ
脂肪層の厚みが減り、リフトアップ
上記と同じ条件で試験を行い、起きた状態で撮影した顔面のCT画像を用いて試験前後の変化を解析。同一部位における脂肪層の厚みが約0.8mm(平均3.7%)減少した。(画像提供/コーセー)

頬の最も高い位置が上昇
頬の最も高い位置が上昇
(データ提供/コーセー)
 被験者A、同B、同C、 同D、同Eについて、試験前後でそれぞれの被験者の左右の頬の位置が上方向と外方向に何mm移動したか、CT画像から解析。平均で約2.7mm上方向に移動していることがわかった。

 「マッサージには、加齢によってゆるんだSMASを引き締め、下垂した脂肪の位置を引き上げる効果があると考えられる」と、コーセー研究所の平昌宏さんは話す。

 ただし、肌をこすったり、強すぎるタッチで行ったりするのはNG。シワを作る原因にもなりかねない。

 「乳液などを肌全体に伸ばしてから行って。マッサージ中に指のすべりが悪くなってきたら、その都度乳液をプラスすることが大切」と、コーセー 美容開発部の戸塚みくりさんは話す。

 では早速、次のページから加齢でゆるむSMASと下垂する脂肪に着目したコーセーの“美容筋膜マッサージ”を見ていこう。