「悪気はなかったのに、ちょっとしたひと言で相手を不機嫌にさせてしまった」
「自分の一言で、気まずい沈黙。しまったと思っても、もう遅い」
「断り方を大失敗。ただ都合が合わなかっただけなのに、二度と誘われなくなった」
このような苦い経験、したことがある人も多いのでは? そんな人は、ひょっとしたら、言い方ひとつで、損をしているかもしれません。
「言い過ぎやすく、気にしやすい」ようにできている
実は、「言い過ぎた」「言い方を間違えた」「あんなに言わなくても」という悩みが尽きないのには、言った側・言われた側両面の、「脳の性質」が関係しているといいます。
言うときには「つい、言い過ぎやすい」ようにできていて、聞くときには「相手の言い過ぎに過敏になりやすい」ようにできているというのです。
一方で、そうした性質に配慮し過ぎて言いたいことも言えなくなってしまうと、ストレスがたまり、コミュニケーションそのものが窮屈に思えてしまいます。
そんなとき、エレガントに、毒が吐けたら…。
この連載では、そうした人間の脳の性質を踏まえながら、ストレスをためずに言いたいことを言う方法、よりよくコミュニケーションを取るための知恵を、脳科学者の中野信子さんと共に考えていきます。
■「言い間違えた/うまく返せなかったシチュエーション」で、本当はどう言ったらよかったのか?
■「言いにくいこと」を伝えるには、どうしたらいいのか?
■思わず言葉に窮してしまうような相手からの一言に、どう返すのがスマートか?
このような、ありがちなシチュエーションを例に、リアルで実践的な対応法を探っていきたいと思っています。
そこで、皆さんのリアルな体験談を募集します!
「ものの言い方・伝え方」に関するアンケートに回答してみるあなたの体験談を基に考えます
例えば、皆さんの経験のなかで、こんなこと、ありませんか?
【うまく言い返せなくて、悔しかった・気まずかったエピソード】
(例)
■「上司からの『彼氏/彼女はいるの?』というセクハラ質問。笑ってごまかすしかなかった」
■「大勢の前で怒鳴ってくる上司。ミスした自分も悪いけど、ハラスメントだと感じていることを伝えたい」
【言いたいことがあったのに、うまく伝わらなかったエピソード】
(例)
■「会食に同席している後輩の鼻から、太くて長い鼻毛が…。取引先も気にしているみたいだけど、どう伝えたらよかった?」
■「先輩が作ったプレゼン資料の方向性が微妙にズレている…。自信作だと言ってるし、感性の部分も大きいので、細かく指摘しづらい」
【ストレートに言い過ぎて、空気が悪くなってしまったエピソード】
(例)
■「先輩たちに食事に誘われたが都合が悪かったので、『その日は無理です』とストレートに答えたら、なんともいえない空気に。その後誘われることはなくなった」
【自分が体験した(言った・言われた・聞いた・読んだ)スマートな言い回し】
(例)
■いつも電気をつけっぱなしの夫。『電気を消してって言ってるでしょ!』と言うのをやめて、『まだこの部屋、使うの?』と言うようにしたら、なんとなく険悪なムードにならなくなった。
モヤモヤ、不快感、スッキリしない感じ…。そんな、消化しきれていない感情やエピソードを、ぜひそのままお寄せください。
上記のほか、「お願い・要求」「指摘・叱る・注意」「断る・謝る」「感謝・労い・褒める」「マイナス意見・否定」「ハラスメント対応」など、幅広いシチュエーションでの具体的な体験談をお待ちしています。
皆さんの体験談は、「よりよい伝え方」を考える材料として、この連載や中野信子さんの書籍づくりの参考にさせていただきます(個人情報保護の観点から、一部、変更を加えて紹介する可能性があります)。
「ものの言い方・伝え方」に関するアンケートに回答してみる構成/宮本沙織(第1編集部) イラスト/shutterstock
[日経BOOKプラス 2022年9月22日付の記事を転載]