本来、夫婦関係はフラットであるはず

―― やはり夫婦関係はフラットであることが大事ですか。

瀧波 大事というか、夫婦関係は本来フラットなもののはずです。交際中は「○○くん」「○○ちゃん」などと呼び合う対等な仲だったはずなのに、結婚すると「ご主人」「奥さん」になり、夫のほうが上だという雰囲気になってしまうのにはやはり違和感があります。呼び方によって関係性が見えにくくなってしまうんだ、言葉って大事だなと感じています。

 例えば、私が悩み相談の回答として「ご主人を尊重してあげてください」というと「主人はあなたよりも立場が上なんだから、尊重してあげてください」という意味に取られかねません。でも、「夫さんを尊重してあげてください」だったら、「一個人として尊重してあげてください」という意味が伝わると思います。

―― 夫婦間の関係性が言葉によって左右されてしまうと思いますか?

瀧波 もちろん言葉だけではなく、社会的、複合的な要因によると思います。

 例えば、車や住宅を購入しようとして下見に行くと、営業担当者が「ご主人さま」と言って、夫のほうにしか話し掛けないとか、名刺を渡さないということは起こりがち。社会的な要因によって「妻よりも夫のほうが上なんだ」という雰囲気を受け入れてしまいがちだけど、それを言葉の力によって「本来はフラットな関係だよね」と戻していくことはできると思います。

―― ちなみに瀧波さんは夫婦で何と呼び合っていますか。

瀧波 あまり名前では呼び合いません。子どもがいるので、お父さん、お母さんが多いですね。昭和のドラマに出てきそうな「あなた」ではなく、フラットな呼びかけとして、「あなた」は使います。

―― お子さんには呼び方について、何か説明していますか。

瀧波 特に教育はしていませんが、一緒にテレビを見ていて「お前の嫁はさ~」というような言葉が出てきたら、「お母さんはこういう言い方は好きじゃない」と言って、その理由も具体的に説明します。娘は10歳なので、私の意見をおおよそ理解しているようです。もし、そういった話がまだ難しい年頃のお子さんなら、「『お前の嫁』という呼び方はどうかなあ」と軽く触れるだけでもいいと思います。呼び方に関してちょっとでも意識するか、何も意識しないまま成長するかで、けっこう違うかなと。大人になって、そういったことに何か引っかかりを感じたときに「そういえばお母さんも言っていたな」と思い出してもらえたらいいなと思っています。

言葉の力で 夫婦関係をフラットに戻していく
「言葉によって関係性が見えにくくなることがあります。でも、言葉の力によって、夫婦関係を本来のフラットな形に戻していくことはできるはずです」(写真/円山恭子)