「ネガティブな自分は嫌だ」「ポジティブがいい」とつい考えてしまいませんか?今回のテーマはポジティブハラスメント、略して「ポジハラ」。後編は、ポジティブでいたいと思いつつ、人へのモヤモヤした感情や、嫉妬が生まれてしまったときの対策について。心理カウンセラーの山根洋士さんに詳しく聞きました。

ポジティブ思考の押しつけはNG 自己肯定感にも悪影響【1】
・モヤモヤ、嫉妬などの感情を分析し、正しく消化するには【2】←今回はココ

ポジハラ対策1:自分の感情を認識しよう

否定的な感情を持つのは当たり前。認めると自己肯定感も高まる

 「自分の感情に蓋をするのがクセになっているのは、自分をないがしろにしているのと同じ。ポジハラをしてくる人の言葉にも流されやすくなる」と山根さん。そうならないためには、常に、自分は今、どう感じているのかを確認することが重要だ。

 「例えば、マスクをするのは嫌だけど、感染はしたくないからマスクをする──。ここで重要なのが『嫌だけど』という本音。そこを通ってから行動に移すことで、強制的にマスクをしないとダメ、家にいないとダメという群集心理に流されないで済む」と山根さん。

 「嫌だけど」を認識して行動すると、自分に選択権が取り戻せ、やらされている感がなくなるためストレスがかかりにくい。一方、自分の感情抜きに、何が何でもしなくてはならないと考えると、自己犠牲感ばかりつのってストレスフルになる。マスクをせずに街を歩く人を見てもイラ立つのは、自分も自己犠牲を払っているんだから、お前もガマンしろ! というやつ当たりだという。

「マスクをするかしないかではなく、 『自分はこう思うけど/から、こういう選択を選んだ』 という過程が重要。行動の選択肢が広がる」と山根さん。 いろんなマスクの色やデザインを楽しむことも 行動の選択肢が広がった結果といえる。

 また、「外出自粛を迫られていたコロナ禍は、正常の判断力や理性的思考が奪われてしまい、『みんながやっているからやるべきだ』『悪いことには罰を与えて当然』といった群集心理も働きやすい」と山根さん。

 「戦時中だって、お国のために息子の命を進んで差し出す母親は一人もいなかっただろうが、嫌だと口にすることが許されなかった。国全体がそうすることが正しいという価値観だったからガマンを強いられたにすぎない。正しいか間違っているかで判断するのではなく、好きか嫌いか、楽しいか悲しいかといった自分の感覚をスルーしないでちゃんと感じることが大事」という。