Q. 介護で親子仲が悪くならないために気をつけておくべきことは?
A. 嫌なものは嫌と認めて、ガマンしないことが大切です
すでに直面している人もいるであろう、親の介護。今は親と疎遠になっているという人でも、要介護状態になればスルーしにくい問題だ。
親子仲がいいと特に、自分が犠牲になっても介護を引き受けるべきと考えてしまいがちだが、「そう考えるのも理想の親子像というメンタルノイズに思考が犯されているから」と山根さん。
「親からしたら、素人より介護士さんに介護してもらったほうが快適ということもある。ここまで育ててもらったからと慣れない介護で頑張りすぎるのは、自分も親も疲弊させるだけ。親離れできていない人ほどそうなりやすい」
世話になった親のおむつ交換や汚物の処理などを嫌がってはいけないという人もいるが、「嫌な気持ちをごまかしていると、苦しさが積み重なっていつかパンクしかねない。臭いものは臭いと思うのが自然。本音を認めて、『嫌だけどやる』と割りきるほうが前向きに取り組むことができる」と山根さん。
自分の感情を大事にすることは、自分自身を大事にするのと同じ。「そうすることで、変な罪悪感を抱かず、ほどよい距離感で親と向き合うことができる」と山根さんはいう。