Q. どうしたら親離れできますか?
A. 親と自分の関係を客観的に見るといいでしょう
自分を「親の子ども」ではなく、一人の大人として捉えるのが難しい人は、親と自分の関係を客観視してみるといいそうだ。
【ワーク1】適度に心理的な距離をとれるようになる「名前呼び」
「言葉の影響力は絶大で、“お父さん”“お母さん”という親子関係を示す言葉を使うと、自分もつい子どもとして接してしまう。関係性を排除した固有名詞で呼ぶと、子どもである自覚が薄れて心理的な距離感が広がるため、親に対して一人の大人として接しやすくなる」と山根さん。親のほうも距離を感じることで、子どもを一人の大人として捉えやすくなるという。
【ワーク2】自分だけが悪いという気持ちを払拭する「三人称ノベライズ」
例えば、認知症の親から突然食器を投げられた場合。「自分の介護の仕方が悪かったのでは…」と、自己嫌悪に陥りやすいタイプにお薦めなのがこのワーク。
「起こったことを全て三人称で考えて、第三者の目線で出来事を捉え直す。この場合は『認知症の母親が突然娘に食器を投げた』という事実だけが見えて、娘は悪くないことがわかる」と山根さん。まわりの人のことで落ち込みやすい人は、冷静な判断を促すのにやってみるといい。
【ワーク3】親の子離れにも有効!「物理的距離をとる」
親子だから一緒に住むほうがいい、長い休みには家族で集まるべき──。そう考えるのも理想の親子像ノイズの縛りだという。
「一人ひとり別の人間なのだから、親子でもそりが合わないこともあって当然。そういう場合は会う頻度を減らしたり、別居を検討するほうが健全な親子関係を築きやすくなる」と山根さんはアドバイスする。
心理カウンセラー

取材・文/茅島奈緒深 イラスト/熊野友紀子 構成/堀田恵美