背骨と自律神経は密接。その理由は、背骨の両脇に自律神経が走っているためです。そこで、背骨まわりの緊張をとることで、自律神経を整えるのに役立つセルフケアをご紹介します。理学療法士の中村雄一さんに教わりました。第1回は、このメソッドのポイントを解説します。
背骨をねじるエクササイズで不調を解消
・背骨をねじってゆるめれば、自律神経が整う?そのコツは ←今回はココ
・背中、腰…緊張が強い部分は?自律神経ケアに役立てる
・イライラ、ストレスは背骨の上部をほぐし、自律神経ケア
自律神経は臓器などにつながり、その働きを調整する
「背骨をねじるだけでどうして自律神経が整うの?」と疑問に思う人も多いだろう。その答えは、自律神経の興奮や緊張を司る交感神経の位置にある。
「交感神経は交感神経節と交感神経幹に分かれていて、それらは背骨の真ん中を走る脊髄の両脇を並走している」と、理学療法士で自律神経の不調を筋膜と運動で解消する方法に詳しい中村雄一さん。中村さんは、イタリア式の最先端の筋膜ケアと、動きのくせから痛みの原因を分析・解決する「ムーブメントサイエンス(運動科学)」の資格を持ち、筋膜調整や運動指導によって、これまで多くの自律神経系の不調を訴える人たちの悩みに向き合ってきた。その経験を踏まえて、自律神経系の不調を整えるセルフケアを提案している。
自律神経のうち、抑制やリラックスを司る副交感神経は、脳の一部や脊髄の最下部の仙骨の中を走っているが、交感神経は首から腰まで背骨と一体も同然の位置にある。なので、背骨をねじって緩めることで交感神経に働きかけ、興奮や緊張をした状態を抑えられそうだと、中村さんはこれまでの経験も踏まえ、推測している。そのため、交感神経がコントロールする臓器の調子も整えるのにも役立つという。