背骨と自律神経は密接。その理由は、背骨の両脇に自律神経が走っているためです。背骨まわりの緊張をとることで、自律神経を整えるのに役立つセルフケアを、理学療法士の中村雄一さんに教わりました。第3回は、具体的なエクササイズを詳しく紹介します。すべて寝たままできるので、寝る前や起床後にオススメです!

背骨をねじるエクササイズで不調を解消
・背骨をねじってゆるめれば、自律神経が整う?そのコツは
・背中、腰…緊張が強い部分は?自律神経ケアに役立てる
・イライラ、ストレスは背骨の上部をほぐし、自律神経ケア←今回はココ

背骨の上部が硬い人はストレスがたまっている!

 連載の第2回では、背骨の緊張が強い部分がどこか、セルフチェックする方法を紹介した。3つあるチェックのうち、チェック1をクリアできなかった人は、下記の「上ねじり」で背骨の上部の硬さをほぐそう。ポイントは脚をしっかり曲げて、ひざと股関節を直角にすること。

【上ねじり】でイライラ、不安、肩こりを改善

 横向きに寝た状態で肩甲骨と胸まわりを動かして、背骨の上部をねじる。呼吸を連動することがポイントで、胸まわりをねじるときに息を吐くことで、ねじりを深めやすくなる。

1.横になり、股関節とひざを直角に曲げる
1.横になり、股関節とひざを直角に曲げる
頭の下に枕や丸めたタオルを敷いて左向きに横に寝て、脚を揃えてひざと股関節が直角になるように曲げる。左腕は前に伸ばし、右手は後頭部につける
2.息を吸って吐きながらねじる
2.息を吸って吐きながらねじる
息を吸い、吐きながらひじと頭を後ろに回して、胸を開いてねじる。10回繰り返し、反対側も同様に行う
股関節は直角で
股関節は直角で
脚が伸びた状態だと腰の力を使って体をねじるため、背骨をストレッチできない。脚はしっかり曲げておく

ひざと股関節が直角になっていないと腰の力を使ってしまうため、効かせたい背骨の上部をしっかりねじれなくなる」(理学療法士の中村雄一さん)

 そして、動くときは呼吸と連動してゆっくり動くこと、肩甲骨と胸まわりを意識するのもポイント。肩や肩甲骨の凝りがほぐれて、猫背などで縮みがちな胸まわりが広がる気持ちよさも実感できる。

基本は1呼吸ずつひじを後ろに倒して戻すが、ひじを後ろに倒した状態で10呼吸続けてもOK。腕の重みで背骨の上部のねじりが深まりやすい」(中村さん)

胸椎の上のほうをねじると頭部の血流や肺、心臓などにつながる自律神経が刺激される
背骨の上部=胸椎の上部を走っている自律神経は、主に脳や心臓、肺とつながっている。背骨の上部をねじって硬さをほぐすことで、自律神経と一緒にこれらの臓器の働きも調整でき、睡眠不足や眠りの浅さなどの睡眠トラブル、呼吸の乱れ、不安やイライラの改善に役立つという
背骨の上部=胸椎の上部を走っている自律神経は、主に脳や心臓、肺とつながっている。背骨の上部をねじって硬さをほぐすことで、自律神経と一緒にこれらの臓器の働きも調整でき、睡眠不足や眠りの浅さなどの睡眠トラブル、呼吸の乱れ、不安やイライラの改善に役立つという