日経xwomanでは、経済分野の男女差に着目し、世界経済フォーラム(WEF)によるジェンダーギャップ指数の手法に倣って業界別のジェンダーギャップ課題を分析しました。自分が働く業界や、働きたいと思っている業界の特徴や課題を知ることで、より働きやすい社会を実現するためのヒントにしてもらうことが目的です。今回の記事では、算出に使用した「4つの指標」から、「労働参加の平等性」と「管理職登用の平等性」に着目し、男女差を見ていきます。

■業界別ジェンダーギャップの順位と算出方法、使用した統計データの一覧は、記事「ジェンダーギャップ大きい業界は?独自試算で明らかに」を参照してください。

「管理職登用の平等性」が際立って低い

 業界別ジェンダーギャップの分析は、日本標準産業分類を基に13業界をピックアップし、「労働参加の平等性」「管理職登用の平等性」「賃金の平等性」「ワークライフバランスの平等性」という4つの指標で評価。さらに、それぞれの指標を構成するサブインデックスを設け、複数の統計データを用いて男女差を算出しました。指標とデータソース選定の監修は、経済学者で明治大学 政治経済学部 准教授の原ひろみさんが行いました。

 13業界をまとめた、4指標ごとの平均スコアは下表の通り。男女差がない状態を1とし、スコアが0に近いほど、男女差が大きいことを意味します。下の図では、ひし形が外側に広がるほど平等を示す1に近づき、内側にいくほど0に近づきます。4指標の中でも「管理職登用の平等性」が際立って低く、ワークライフバランスも男女差が大きいことが分かります。

■13業界をまとめた、4指標ごとの平均スコア
指標 算出に使用した項目(サブインデックス) スコア
労働参加の平等性 1.正規雇用の男女比
2.フルタイム勤務者(一般労働者)の平均勤続年数の男女差
3.専門職比率の男女差(専門職/就労者数の男女比)
0.709
管理職登用の平等性 1.課長職の男女比
2.部長職の男女比
3.役員の男女比
0.191
賃金の平等性 1.正規雇用における賃金格差
2.非正規雇用における賃金格差
3.課長職における賃金格差
4.部長職における賃金格差
0.794
WLBの平等性 1.有給休暇取得率の男女比
2.育児休業取得率の男女比
3.平日の家事・育児時間の平均値の男女比
4.テレワーク経験者の男女比
0.541
WLB=ワークライフバランスの略

 ここからは、4指標ごとに、全13業界の男女比を公開。平等性が高い業界と低い業界を見ていきます。まずは「労働参加の平等性」と「管理職登用の平等性」についてです。

調査した13業界と代表的な職業
●建設業…土木、建築、大工・左官などの職別工事業、設備工事業など
●製造業…食料品、繊維、木材、紙、化学、プラスチック製品、金属、電機、輸送用機器など
●電気・ガス・熱供給・水道業
●情報通信業…通信、マスコミ、ゲーム、インターネットなど
●運輸・郵便業…鉄道、旅客、貨物、航空、倉庫など
●卸売・小売業…繊維・衣服、飲食料品、建築材業などの卸売業、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、書店、ガソリンスタンドなど
●金融・保険業…銀行、信用金庫、貸金業、クレジットカード、保険など
●不動産・物品賃貸業…不動産取引、不動産賃貸・管理、各種リースなど
●学術研究・専門・技術サービス業…経営コンサルティング、広告、設計、法律・行政書士などの事務所、獣医、自然科学研究所など
●宿泊・飲食サービス業…宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービスなど
●生活関連サービス・娯楽業…旅行、冠婚葬祭、映画館、スポーツ施設、洗濯・理容・美容業など
●教育・学習支援業…学校教育、学習塾、図書館、スクール講師など
●医療・福祉…病院、保健所、保育所、老人福祉・介護など