日経xwomanでは、世界経済フォーラム(WEF)の指標を参考に、経済分野における業界別のジェンダーギャップ課題を分析。「労働参加の平等性」「管理職登用の平等性」「賃金の平等性」「ワークライフバランスの平等性」という4つの指標で評価し、スコア(4指標の平均値)が高い業界を順に並べました。今回の記事では、スコアの高さが5~8番目の業界を取り上げ、その特徴と課題を分析します。

本記事で紹介する業界
【情報通信業】…通信、マスコミ、ゲーム、インターネットなど…1ページ目
【金融・保険業】…銀行、信用金庫、貸金業、クレジットカード、保険など…2ページ目
【不動産・物品賃貸業】…不動産取引、不動産賃貸・管理、各種リースなど…3ページ目
【運輸・郵便業】…鉄道、旅客、貨物、航空、倉庫など…4ページ目

■スコアの算出方法やデータソースは記事1本目「ジェンダーギャップ大きい業界は? 独自試算で明らかに」を参照してください。記事中の育休取得率はスコア算出時に公表されていた2020年度雇用均等基本調査による数値です。

課長職では女性が男性の賃金を上回る

情報通信業 通信、マスコミ、ゲーム、インターネットなど

注)男女差がない状態を1とし、スコアが0に近いほど男女差が大きいことを示す。上図では、ひし形が外側に広がるほど平等を示す1に近づき、内側に近いほど0に近づく。薄い緑色のグラフは13業界の平均値
注)男女差がない状態を1とし、スコアが0に近いほど男女差が大きいことを示す。上図では、ひし形が外側に広がるほど平等を示す1に近づき、内側に近いほど0に近づく。薄い緑色のグラフは13業界の平均値
注)各項目の男女比は統計データを基に、男性を分母、女性を分子(女性/男性)として計算。女性の数値が男性を上回る場合は平等とみなして男女比を1としている。ただし有休取得率、育休取得率、平日の家事・育児時間の平均値については、女性を分母、男性を分子(男性/女性)として計算。各指標のスコアは加重平均で算出しており、男女比の単純平均とは異なる。賃金=年間の平均賃金を指す
注)各項目の男女比は統計データを基に、男性を分母、女性を分子(女性/男性)として計算。女性の数値が男性を上回る場合は平等とみなして男女比を1としている。ただし有休取得率、育休取得率、平日の家事・育児時間の平均値については、女性を分母、男性を分子(男性/女性)として計算。各指標のスコアは加重平均で算出しており、男女比の単純平均とは異なる。賃金=年間の平均賃金を指す

 「情報通信業」の特徴は、「労働参加の平等性」と「管理職登用の平等性」ではスコアが全業種平均より低いものの、「賃金の平等性」「ワークライフバランスの平等性」で他業界よりも高いスコアを獲得していることです。

 「労働参加の平等性」のスコアは0.635と、13業界中下から4番目。正規雇用の女性は男性の33.3%にとどまり、平均勤続年数も男性14年、女性9.6年と、他業界に比べてやや男女差が大きい状況です。就労者に占める専門職の比率は男女ともに高いものの、男性67.9%に対して女性45.3%と、男女差が目立ちます。ただし、「情報通信業」のなかでも、ポータルサイトやアプリケーションを扱う「インターネット付随サービス業」の分野では、女性の正規雇用者の数は男性に対して62.5%で、「情報通信業」全体よりも差が小さくなっていました。

 「管理職登用の平等性」のスコアは0.083で13業界中下から2番目でした。課長職の女性の数は男性に対して11.6%、部長職では7.1%、役員では7%にとどまり、いずれも男女差が大きい状況です。

 一方で「賃金の平等性」のスコアは0.865と、平等とはいえないものの、13業界の中では最も高い結果でした。なかでも課長職の賃金は男性よりも女性のほうが高く、部長職においても男女差がほぼなかったのが特徴です。女性管理職の数自体が少ないことは課題ですが、昇進できれば女性が男性と同等に稼げる可能性はありそうです。一方で、正規雇用全体を見ると、女性の賃金は男性の8割弱。非正規雇用では7割弱で、男女差が目立ちます。

 「ワークライフバランスの平等性」も、スコア自体は0.607と高くはないものの、13業界の中ではトップでした。有休取得率は女性66.9%に対して男性64.6%と、男女差が小さく、男性の取得率自体も13業界の中では2番目に高い結果でした。男性の育休取得率は14.8%で、女性の98.9%に比べると差があるものの、こちらも13業界中では2番目に高い取得率。平日の家事・育児時間には男女で2倍程度の開きがあるものの、女性の平日の家事・育児時間が平均144.3分と13業界中最も短く、他業界に比べれば男女差が小さい結果となりました。テレワーク経験者率は男性65.1%に対して女性55.4%と、経験者の比率自体は高いものの、男女で約10%の開きがありました