新型コロナ感染症の流行拡大に伴う生活の変化で、気がついたらコロナ太り! 慌ててダイエットしてもなかなかやせない、ダイエットする気になれない――そんなときに試してみたいのが体の状態を整えてくれる漢方薬。前編では、ついダラダラいつも食べている「ため込み太りタイプ」と、イライラから暴食して太った「ストレス太りタイプ」に向く漢方処方を紹介しました。今回は、その他のコロナ太りタイプに合う処方と、巡りをよくするために知っておきたいポイントを紹介します。
運動不足に食べすぎ、募る不安やストレスで、気がつけばすっかり太って元に戻らなくなった、なにかとむくみやすくなった――。そんな状態を、漢方では「気・血・水の巡りが悪い状態」と考える。気・血・水のどの巡りが悪くなったかによって体に表れる症状は異なり、その巡りを整えてくれるのが漢方薬だ。
前編に引き続き、薬日本堂薬剤師の齋藤友香理さんに、コロナ太りのタイプ別に向く漢方処方を紹介してもらおう。
<むくみ太りタイプ>
心配や不安で気力が低下、食べてなくても太る

長引くコロナ禍で、将来が不安でうつっぽくなり、食欲も低下――それなのになぜか太ったという人は、「エネルギーを巡らせる気や、全身に栄養を届ける血とともに水の巡りが悪くなってむくみが出ている可能性がある」と齋藤さん。日本人女性は足のむくみ、冷え、疲れやすいといった不調を抱える人が多いという。

気・血・水のすべてが滞っていて、さらに気力や体力が低下している場合や、下痢しやすいという人には防風通聖散よりも当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が向く。「気・血を補って体を温め、水を巡らせるため、むくみや冷えのある人、下痢しやすい女性にお薦め」(齋藤さん)。
当帰芍薬散
当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)などを配合。虚弱で、冷え性で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、耳鳴り、動悸などを訴える人の月経トラブル、更年期障害、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え性、むくみに。