内臓脂肪や肝脂肪を減らすには、食べすぎや運動不足の改善が大事。それに加えて「何をどう食べるか」「どう過ごすか」といったことも重要だ。第1回では、日本にはやせていても内臓脂肪や肝脂肪が多い人が少なくないということを紹介した。第2回となる今回は、内臓脂肪を減らすために重要なポイントを紹介していこう。最新研究から、食事制限と運動ではどちらが効果的か、糖質のとり方によるリスクなども明らかになってきた。

内臓脂肪の新常識
【第1回】ダイエットで脂肪がつきやすくなる? 隠れ肥満注意報
【第2回】隠れ肥満をつくる「ダメな食べ方」「ダメな生活習慣」←今回はココ
(イラスト:朝倉千夏)
(イラスト:朝倉千夏)

糖尿病対策には運動が大事

 メタボ健診などで内臓脂肪が多いとわかったら「内臓脂肪だけを減らすという方法はないので、体脂肪全体を減らすしかない」と九州大学の小川佳宏教授。

 では、食事と運動、どちらが効率がいいのだろう。赤坂ファミリークリニックの伊藤明子院長は、「最近の研究で、体重や体脂肪を減らすだけなら食事制限でもある程度は効果が見込めるが、高血糖やインスリンの効きの低下などの糖の代謝異常や脂肪肝対策には食事だけでは不十分で、運動が必要とわかってきた」と話す。

 脂肪肝のある人を対象に、カロリー制限食と運動それぞれの減量効果や糖代謝能の違いを調べた研究がある。これによると、カロリー制限は運動に比べ、体重や体脂肪の減少は大きいが、筋肉量も減ることがわかった。

 一方、運動の場合は、体重や体脂肪、腹囲のサイズ減少はカロリー制限に比べて少ないものの、筋肉量は維持され、肝臓の脂肪蓄積量はカロリー制限よりも大きく改善した。また、血糖値を上げたり、糖や脂質の代謝を悪くする物質が減ることが確認され、体重減少とはまた別の効果があるとわかった(下グラフ)。


食事制限は体重減少には効くが代謝改善には運動が必須
食事制限は体重減少には効くが代謝改善には運動が必須
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の男性肥満者83人を、有酸素運動をする運動介入群と食事介入群(カロリーを1680kcalに制限)に分けた。食事介入群では運動介入群に比べ体重や体脂肪、腹囲の減少率が大きかったが、肝臓の脂肪減少量と硬さの改善は運動介入群のほうが明らかに大きかった。また、炎症マーカー、酸化ストレスの減少も見られ、体重減少とは独立した脂肪肝および代謝改善作用があると考えられる。(データ:JHEP Rep. 2021 Feb 10;3(3):100253. )

 筋肉には糖を蓄える働きもある。「女性で、やせているのに脂肪肝という人は、食事制限によるダイエットが原因ということも。筋肉が減ってしまうと糖の貯蔵量も消費量も減るため、余分な糖が脂肪になりやすい」と伊藤院長はいう。