食事には気をつけていても、盲点になりやすいのがジュースなど「飲み物」の飲み方、選び方。ささっと飲めてしまうため、大したことないとつい油断してしまいがちだが、同じような飲み物でも飲み方、選び方で脂肪のつきやすさ、血糖値の上がり方は異なる。ダイエット中の人や血糖値が気になる人必見の飲み方、選び方をQ&A形式で紹介していこう。
【1】やせない理由に、ジュース、コーヒーの飲み方があった←今回はココ
【2】「牛乳は太りやすい」はホント? 豆乳や甘酒は?
Q. 100%ジュースを飲むのは、果物を食べるのと同じ?
A 果物を食べるより血糖値が上がり、脂肪がつきやすいです

ビタミンや食物繊維、抗酸化作用のあるポリフェノールなどの成分が豊富に含まれている果物。厚生労働省が推進する健康づくり運動「健康日本21」では1日に200g程度の摂取が推奨されているが、果物を食べる代わりにフルーツや野菜の100%ジュースを飲んでいるという人は要注意。「ジュースは同じ量の果物よりも血糖値が上がりやすく太りやすい」と、糖質の吸収や代謝に詳しい岐阜大学医学部附属病院の飯塚勝美講師はいう。
その理由は、液体のジュースに比べ、果物のほうが、咀嚼や消化に時間がかかるうえ、食物繊維も多く含まれるため、糖の吸収がゆるやかだからだ。
食事でとった糖は、体を動かしたり、組織の修復や新陳代謝のエネルギー産生に使われるほか、グリコーゲンとなり筋肉に貯蔵されるが、「一度にたくさんの糖が体内に入ると、余剰分が発生しやすく、インスリンの働きで脂肪としてため込まれてしまう」と飯塚講師。
特に、市販のジュースは、食物繊維が除去されているものも多く、吸収が速いという。「スムージーも、ジューサーで食物繊維がかなり小さく切断されるため、意外に吸収は速い。ジュースより太りにくいが、果物よりは太りやすいと思ったほうがいい」(飯塚講師)。
血糖値や内臓脂肪が気になる人は、一気に飲むのではなく、胃腸の動きが緩やかになる食事中に飲む、ジュースを飲む回数を控えて果物を食べるようにするなど工夫してとるのがよさそうだ。
Q. ダイエット中に甘いものが飲みたくなったら?
A 炭酸水にジュースを薄めて飲むのがお薦めです
ダイエット中でも、疲れたときや気分転換に甘いものが飲みたくなることはあるはず。そんなとき、つい清涼飲料水や甘いコーヒー飲料に手が伸びてしまうという人は、ダイエットに失敗する可能性大。疫学調査からも、清涼飲料水は明らかに肥満と関連があるということがわかっている。