今、アスリートに人気の食材として注目を集めている食材が「バナナ」と「サツマイモ」。どちらもエネルギー補給にはいいけれど、たくさん食べると太りそう。体作りには向かないのではーーと思うかもしれませんが、実は、優れた腸活食材だということがわかってきました。バナナとサツマイモが、どう腸にいいのか、どう食べるといいのかを2回に分けて紹介していきます。第1回は、バナナの腸活効果の紹介です。

二大腸活食材 バナナVSサツマイモ
【1】脂肪、便秘、美肌にいいバナナ、効果を引き出す食べ方は ←今回はココ
【2】ダイエット、老化予防には「じっくり加熱のサツマイモ」

 ここ数年、ジュース専門店もじわじわと増えつつある、不動の人気を誇るバナナ。安くて、甘くて、おいしくて、消化がよく栄養満点。市民マラソンなどの途中で、バナナを配っているのを見たことがあるという人もいるだろう。

 ただし、体作りのプロであるアスリートが好んでバナナを食べる理由はそれだけではないかもしれない。「バナナには、腸内環境を良くする働きもあることがわかってきました」と赤坂ファミリークリニックの伊藤明子院長はいう。

 伊藤院長がバナナの体への影響を調べるために行った研究で、4週間毎日食べ続けると、炎症を引き起こす可能性が指摘されている腸内細菌の減少が確認されたという(下グラフ)。

4週間のバナナ摂取で炎症起因菌が減少した
4週間のバナナ摂取で炎症起因菌が減少した
30歳以上64歳未満の健康な男女28人を、普段の食事にプラスして生のバナナを1日120g(可食部)摂取する群と、バナナなし群の2グループに分けて糞便調査を行った。4週間後、バナナ摂取群でメガスフェラ属、ルミノコッカス属などの炎症にかかわる菌が明らかに減少していた。(データ:薬理と治療 ; 49,2,259-269,2021)

 では、いったいバナナの何が腸にいいのか。どう食べると効果的なのか。次のページから詳しく紹介していこう。