毎年7月11日は、世界人口デー。世界の人口問題に関心を深める目的で、国連が制定した記念日です。世界の人口ランキングで日本は多い順から11位ですが、人数は減少の一途をたどっています。人口減少は日本にどのような変化をもたらし、未来へつながっていくのか。京都大学こころの未来研究センター教授、広井良典さんに聞きました。

日本の人口減少と高齢化は世界トップクラス

 1980年代、日本は世界から「Japan as No.1」と称賛されていました。「No.1」は、経済と技術を指し、1979年にハーバード大学名誉教授のエズラ・ヴォーゲルが、著書『Japan as Number One』で日本の経済成長における経営の在り方を評価したことがきっかけです。対して今の日本は、人口減少と高齢化で「Japan as No.1」の道を進もうとしています。

今の日本は、人口減少と高齢化で「Japan as No.1」の道を進もうとしている(写真/PIXTA)
今の日本は、人口減少と高齢化で「Japan as No.1」の道を進もうとしている(写真/PIXTA)

 総務省統計局が発表した「世界の統計2021」によると、日本は世界で11番目に人口が多い国です。1868年の明治維新以降、日本の人口は急激に増加して、2008年にピークの1億2808万4000人となりました。その後、年によって人口が上下しながら、11年には完全な人口減少社会に入りました。2020年時点で1億2532万5000人、2050年に1億192万3000人、2100年に7495万9000人と、今後も急速に減少していきます。

 人口減少と高齢化は、21世紀における世界規模の現象ですが、なかでも日本のスピードは群を抜いています。高齢化率については、2020年の世界の65歳以上の人口比率が9.3%に対し日本は28.7%と、圧倒的な1位です。

 さて、人口減少というと、良くないイメージにとらえられがちですが、私はポジティブな面もあると考えています。