近年、社会課題に高い関心を抱く、「ミレニアル世代・Z世代」の若者が増えている。「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」の調査で、7割超の若者が社会課題に関心を持ち、就職活動の軸にも影響していることが明らかになった。そんな中、Allesgood(アレスグッド、東京都杉並区)が5月18日に、社会課題に取り組む企業と学生がつながるSNS型の就活プラットフォーム「エシカル就活ーETHICAL SHUKATSUー」をリリース。Allesgood代表の勝見仁泰さんに、どんな思いでプラットフォームを開設したのかを聞いた。
【エシカル就活】
上・型にはまる就活に違和感「エシカル就活」開設への思い ←今回はココ
下・Z世代 「社会課題を軸に仕事選び」を当たり前な社会に
コロナ下でZ世代の社会課題意識に変化が表れる
最近よく耳にする「エシカル」という言葉。直訳すると、「倫理的な・道徳的な」という意味だ。一般的には「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」を指す。
このエシカルという言葉が欧米で使われるようになったのは、1980年代。日本では、2014年に「日本エシカル推進協議会」(現:一般社団法人日本エシカル推進協議会)が発足。2021年東京オリンピック・パラリンピックを通して、「エシカル」の普及を目指した取り組みも行われている。世界に比べて遅れ気味だが、徐々に浸透している。
ここ最近では、新型コロナウイルスの影響もあり、人々の意識の変化が顕著に表れている。2021年3月に独コンサルティング会社のローランド・ベルガーが行ったCGR(Consumer Goods and Retail、消費財・小売り)調査によると、Z世代を中心に地球環境や大量消費問題に対する社会課題やエシカルな暮らしへの意識が急速に芽生え始めている。
消費者庁が2016年度と2019年度に行った「『倫理的消費(エシカル消費)』に関する消費者意識調査」の結果を比べると、「エシカル消費/倫理的消費」の認知度は6%から12.2%、エシカル消費への興味度は35.9%から59.1%と、意識が向上していることが分かる。
また、ライフスタイルの域を超えて、仕事選びにおいてもエシカル志向の若者が増えてきている。近年は、「エシカル就活」という言葉も使われるようになった。とはいえ、今はまだ過渡期。自分の就職活動に対するスタンスについて悩み、戸惑っている学生は多いかもしれない。
Allesgood代表の勝見仁泰さんもその1人。従来の就職活動のあり方に疑問を抱き、2021年5月に、社会課題に取り組む企業と学生がつながる就活プラットフォーム「エシカル就活ーETHICAL SHUKATSUー」(以後、「エシカル就活」)を立ち上げた。