フィリピン旅行で人生のベクトルが変わった

 勝見さんの実家は青果店で、商売ではお金以外の付加価値も得られることや、それが家族の幸福につながることを、幼い頃から肌で感じてきた。そして、「誰かのために何かをして喜んでもらいたい」と、起業を夢見ていた。

 高校3年生の冬休みに初めての海外旅行で訪れたフィリピン。そこで見た貧富の差に衝撃を受け、ビジネスを通じて社会課題解決がしたいと思うようになった。そして、スポーツ推薦で進学する予定だった大学を辞退。経営学と経済学を学ぶため、実家の近くにある高千穂大学経営学部に進学した。

 大学では経営学部で学び、フィリピンで教育事業を立ち上げるなど、積極的に活動した。文科省の展開する官民協働の留学日本代表プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」に、自身が考案した「途上国の特産品を活用した有機化粧品事業」が採用され、ドイツ、コスタリカ、米国に1年間ビジネス留学。帰国後、ドイツ人の共同創業者と事業展開を志すも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業が頓挫。

 そこから就職活動を始めることになった。