ハワイ最大の温暖化ガス排出源とは

 ハワイ州でもっとも温暖化ガスを排出する部門は、運輸です。ハワイ州の温暖化ガスの年間排出量を部門別に見ると、合計1770万トンのうち、運輸が1020万トンを占めています。

ハワイ州の温暖化ガスの年間排出量の合計は1770万トン。うち運輸が1020万トンを占める(ハワイ州政府の資料を基に編集部作成)
ハワイ州の温暖化ガスの年間排出量の合計は1770万トン。うち運輸が1020万トンを占める(ハワイ州政府の資料を基に編集部作成)

 運輸部門の温暖化ガス排出量が多い理由は、ハワイ州の主産業である観光によるところが大きいです。観光客の多くは、国外や米国本土など、遠方から来ます。飛行機をハワイまで運航するための燃料は、当面は石油に頼らざるを得ない状況です。また、ハワイは車社会です。毎朝夕、高速道路は通勤の車と観光バス、タクシーで大渋滞します。運輸部門における人口1人当たりのエネルギー消費量は、全米で5番目に高いのです(全米平均87 MBTU/人に対し、ハワイは123MBTU/人)。

 ハワイ州政府発表資料によると、輸入される石油のうち34%が航空燃料に、27%が地上交通に、4%が海運に使われています。合計で65%が運輸部門で消費されています。車・バス・航空機は、大量の石油を消費するだけでなく、温暖化ガスを排出します。

 車やバスに関しては、電気自動車の導入が進んでいるので、徐々に温暖化ガスの排出量は軽減されていくでしょう。

 現在敷設中の、ホノルルの空港からアラモアナまでの電車が開通すれば、交通渋滞もある程度は解消され、脱炭素に貢献します。

 一方で、航空燃料の脱炭素化には、難しい問題があります。バッテリーとモーターによる飛行は、飛行時間が40分程度のハワイ州内の島々を移動する距離であれば、2040年には実用化されると考えています。しかし、米国本土や日本など、5時間~8時間のフライトへの適用には、大きな技術革新がいくつも必要になります。

 このように、石油に頼ることで観光をはじめとする産業を活性化してきたハワイ州が、なぜ温暖化ガス排出量の削減などの脱炭素化を急ぐのでしょうか。