ビーチの異変、人々が感じる恐怖

 ハワイ州は今、海水面の上昇が著しく、海辺の住宅を侵食したり、道路が冠水したりする現象が起きています。ビーチの砂浜も、ここ数年でずいぶん面積が小さくなりました。ビーチに造られた施設が、海水面の上昇を理由に使用禁止となった光景は、珍しくありません。これらは、温暖化ガスによる地球温暖化の影響とみられています。

 ハワイ大学が主導した研究では、地球温暖化に伴う海水面の上昇は、21世紀末までに約90センチメートル。海岸線の土地の多くが浸水し、約6000戸の建物が冠水、約2万人が慢性的な水害に悩まされるとしています。

ワイキキ(オアフ島)の海岸線が90センチメートル上昇した場合のイメージを分かりやすくするために32センチメートル上昇の場合と比較(ハワイ大学海洋地球科学技術学部の資料を基に編集部作成)
ワイキキ(オアフ島)の海岸線が90センチメートル上昇した場合のイメージを分かりやすくするために32センチメートル上昇の場合と比較(ハワイ大学海洋地球科学技術学部の資料を基に編集部作成)

 ハワイ州に住む人々は、変わりゆく島を目にし、恐怖を感じています。ハワイ州が単独で脱炭素化に取り組んでも、世界の海水面の上昇を抑えられるわけではないことは、彼らも分かっています。それでも「このままでは次の世代にハワイを引き継げない」という気持ちが、脱炭素への意欲をかきたて、いち早く「再生可能エネルギー発電100%」宣言を出すことにつながったのです。