窓・壁・送風機…職場でできる脱炭素化

 日本の温暖化ガスの約9割は、化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)から出る二酸化炭素です。その大半が、経済活動から排出されています。つまり、日本の温暖化対策は、企業や個人のエネルギー選択にかかっています。

 脱炭素への取り組みは、職場レベルでできることがたくさんあります。工場なら、例えば送風機などの設備の出力をインバーターでコントロールすると、かなりの省エネになります。工場の送風機の中には、常に最大出力で動くタイプがあります。この場合、インバーターを付けて、必要なときに必要な量だけ稼働するようにすると、省エネができます。他に、効率の良い電気機器に変えたり、建物に断熱効果を加えたり、多くの省エネの機会があります。

 オフィスや住宅なら、窓を二重にして断熱するだけでも、脱炭素に貢献できます。実は、建物で最も熱が逃げるのは、窓です。エアコンをインバーター搭載タイプに変えて温度調節するより、二重窓にして断熱したほうが、より大きな節電効果が期待できるほどです。大規模な窓の入れ替えができない場合は、既存の窓に後付けできる断熱性ガラスを使うのも一案です。

 近年、大手建設会社が手がける「ゼロ・エネルギー・ビル」では、二重窓をはじめとする省エネ設備の導入が進んでいます。自社ビルでない企業は「ゼロ・エネルギー・ビル」に転居する方法もあります。

オフィスや住宅は、エアコンをインバータ搭載タイプに変えるだけではなく、二重窓にして断熱することで、より節電効果が高まる(写真はイメージ)
オフィスや住宅は、エアコンをインバータ搭載タイプに変えるだけではなく、二重窓にして断熱することで、より節電効果が高まる(写真はイメージ)

 今ある技術の範囲でも、日本の企業が一丸となって脱炭素を目指せば、2030年に約2割の省エネができるというWWFの試算が出ています。これまで化石燃料で成長してきた企業にとって、全く新しいエネルギーへシフトすることは、簡単ではないでしょう。ですが、既存のやり方こそが地球温暖化の原因ですから、変わるしかないんです。

 世の中では今「脱炭素の産業革命」が起きています。新たなビジネスチャンスと捉え、脱炭素を意識したプロジェクトの提案をしていく企業、人が求められています。