自然エネルギーはみんなで使うほど安くなる

 個人レベルでできることもたくさんあります。取り組みやすいのは、個人宅で太陽光発電を導入することです。太陽光発電は初期費用がかかりますが、固定価格買取制度(FIT)という制度によって、その費用が回収できるよう、10年間、電力会社が一定価格で太陽光発電の電力を買い取ってくれます。初期費用は、約7~8年で回収でき、10年たった後は、日中は太陽光の電力が無料で使えるので、電気代が節約できます。今は電力会社を選べるようになっているので、自然エネルギー100%の電気プランを選ぶこともできます。

 電力会社を変えるのは大変そうなイメージがあり、なかなか電力の見直しが広がらない傾向にありますが、実は電力会社の切り替えはそんなに難しくありません。たいていの場合、新しい電力会社に今までの検針票を撮影して送るだけ。早ければ5分で終わるアクションです。

 東京都など首都圏では、再生可能エネルギー(自然エネルギー)に100%変更できる、再生可能エネルギー共同購入キャンペーン「みい電(みんなでいっしょに自然の電気)」という取り組みを進めています。再エネ電力希望者を多数集めることで、たいていの場合は料金が安くなります。(編集部注:2021年7月現在は受付をしていません)

 他の地方自治体でも類似の取り組みがありますので、自分の生活スタイルに合う電力の切り替えを、ぜひ検討してみてください。

 自然エネルギーは価格が高いと思われがちですが、自然エネルギーが増えるほど燃料費がかからなくなるため、電力価格(※)は減少していきます。WWFの試算では、2030年には約11.8円/kWh(20年11.6円/kWhの想定)、50年には7.9円/kWhです。

 20年時点の電源構成のままとした電力価格は、50年に11.9円/kWhと、ほぼ横ばいに推移するのに対し、自然エネルギーが増えると仮定したWWFシナリオでは、電力価格が低減していきます。このことからも、自然エネルギーを中心とする社会には、将来的に価格優位性も生まれることが分かります。

WWFの試算では、自然エネルギーの料金は2030年には約11.8円/kWh(20年11.6円/kWhの想定)、50年には7.9円/kWh。20年時点の電源構成のままとした電力価格は、50年に11.9円/kWhと、ほぼ横ばいに対し、自然エネルギーが増えると仮定したWWFシナリオでは、電力価格が低減していく(WWFジャパンの資料を基に編集部作成)
WWFの試算では、自然エネルギーの料金は2030年には約11.8円/kWh(20年11.6円/kWhの想定)、50年には7.9円/kWh。20年時点の電源構成のままとした電力価格は、50年に11.9円/kWhと、ほぼ横ばいに対し、自然エネルギーが増えると仮定したWWFシナリオでは、電力価格が低減していく(WWFジャパンの資料を基に編集部作成)
(※)建設費(人件費など含む)と運転費用を、発電量で割った価格