ヒントは、車いすユーザーからの「ファッションを楽しめなくなった」の声

 パリコレに出場するための洋服づくりは、車いすユーザーの「歩けるときはファッションを楽しんでいたけれど、今はあきらめている」という話から着想を得ました。

 「アパレルショップには段差のあることが多く、洋服を探したり、試着室に行ったりするまでのハードルが高いんです。試着室にたどり着いたとしても、中が狭くて車いすが入れないこともあるため、ファッションを楽しもうという気持ちが薄れてしまうようでした」

 そこで障がい者の人が「ファッションを楽しい」と思えるような洋服を開発したいと思い、福祉関係者や兵庫教育大学の学生と協力して商品開発に取り組みました。座った時でもはき着がしやすく、かつオシャレに見えるにはどうすればいいのか。たどり着いた答えが、今まで世の中になかった形状の巻きスカート「ボトモール」でした。

ボトモールを履いたモデル。足元が動かしにくいと血行不良になって冷えやすいため、内側には起毛素材を使用。「見た目」以外の機能性も重視している
ボトモールを履いたモデル。足元が動かしにくいと血行不良になって冷えやすいため、内側には起毛素材を使用。「見た目」以外の機能性も重視している

 ボトモールは座った時に丈が短くならないよう、前下がりに設計されているのがポイントです。ウエスト周りは着脱しやすいよう、マジックテープになっています。また、男性も女性も違和感なくはけるように、複数の布地を組み合わせたデザインになっています。

 「ボトモールという商品名を付けたのは、学生の皆さんでした。従来、巻きスカートなら着脱が簡単にできるため、愛用する車いすユーザーはいました。しかし、一般的には『スカート=女性のもの』とイメージされやすいため、男性の車いすユーザーには浸透しにくいことが課題になっていました。障がいのある人もない人も、男性も女性も、すべての人(all)がはけるボトムス(bottom)にしたいという思いを込めて『bottom’all(ボトム・オール → ボトモール)』という商品名になりました」