「なぜ売り上げを下げようとする!」批判の声をはねのけ

 popInの取り組みには、消費者から多くの共感が集まった。

 「リリース配信直後、多くのメディアから取材を受けました。その記事を読んだ消費者からSNSや記事のコメント欄で『大賛成』『インターネット広告にいい流れをつくるきっかけにしてほしい』という投稿が多くありました」

 一方で、同業者からは批判の声も上がっていた。コンプレックス広告は過剰な表現や画像でインパクトがあるため、クリック率が高く、シェアされやすい傾向にある。そのため、プラットフォームを提供する企業から、『なぜ、売り上げを下げようとする行動をするのか』という意見もあったという。

 小山さんは、「薬機法による規制が強化されたとはいえ、法律は抽象的な言葉で書かれているため、捉え方はさまざま。掲載基準はプラットフォーム側に委ねられます。また、そもそも規制する法律が存在しない商品ジャンルもある。だから今後も、法律に抵触しないグレーな表現のコンプレックス広告はなくならないと思います」と話す。

popInの広告配信基準の引き上げは、消費者から共感を得た
popInの広告配信基準の引き上げは、消費者から共感を得た

持続可能なインターネット広告を配信するために

 それでも、popInのビジョンや倫理観に共感する広告関連企業から「一緒に活動をしていきたい」という声のかかることが増えているという。

 「11月には日本アフィリエイト協議会と共同で、企業向けに『アドネットワーク&アドアフィリエイト活用講座』を実施しました。参加者は想定を超える100人以上が集まり、注目度の高さを感じました。

 消費者にとって、広告は新しい情報や必要とする知識を得られる持続可能な場所であるべきだと考えています。私たちも勉強して、広告の正しい情報をアップデートし、正しいインターネット広告を提供していきたいです」

取材・文/橋本岬(日経xwoman) 撮影/稲垣純也