男性のスポンサー・オーナーも「育成」する

―― 担当する人材分野で、解決したい「課題」とは。

宮間 DNPは現在、「第三の創業」を目指し、顧客のニーズに個別に応えてきた従来の事業モデルからの脱却に力を入れています。もっと広い視野で、「社会課題の解決」につながる「新しい価値の提供」を実現していくにあたり、新たな事業モデルに即した人材の育成が必要です。これまでの事業で頑張ってきた社員が、新しい分野で活躍できるよう、職種転換を進めています。

宮間 また世の中のトレンドとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)が非常に加速しています。社会課題の解決には、ICT人材を外部から獲得するだけでなく、社員が既に持っているICTについての基礎力、専門性を高めることが急務です。スピード感を持って実現していくつもりであり、2020年から、ICT人材のキャリアデベロップメントプログラムを実施しています。若手を含む社員が成長の道のりを具体的に描けるようにしていきたいですね。

 ダイバーシティの視点でみると、女性の上位管理職を増やすことが課題です。このため7月から、課長と部長の女性を対象に、「スポンサーシッププログラム」を始めました。役員や副事業部長クラスが、女性部長や課長の「スポンサー」となり、彼女たちのキャリア形成やステージアップに向けて、併走しながら取り組みます。

 かつ、各組織の事業部長が「オーナー」として関わり、このプログラムを受けた女性管理職たちがその後どのようにキャリアアップしていくか、きちんとコミットします。女性を育てるのは当然ですが、男性のスポンサーとオーナーにやり方を理解してもらい、彼らの意識を変革することも大事です。野心的な取り組みですが、こうでもしなければ女性の役員は増えていかないでしょう。

投資家の声という「外圧」を社内変革に生かす

―― 6月にはコーポレートガバナンス・コードの改訂が始まるなど、企業における多様性推進の取り組みに投資家から厳しい目が注がれつつあります。御社としてどう対応しますか。

宮間 投資家の期待に応えるためにも社内の変化のスピードを高めていきたいと考えています。ここ1~2年で、役員だけでなく部長クラスの女性比率についても、投資家から質問を受けることが増えてきました。外資系証券会社の中には、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースを読み込んで質問してくるところもあります。「投資家がこう言っている」「取締役の選任に株主が反対した例がある」といった話を経営層がしっかりと共有すれば、大きな課題として認識されるはずです。

―― 「投資家などから『外圧』が来ているのは知っているが、どうすればいいかよく分からない」という経営者も多いのではないでしょうか。