今月の季節の言葉は…

 ちなみに私は毎年、靖国神社の標本木のパトロールを3回行っています。その中で開花日に御朱印を頂くようにしています。今年度を振り返り、来年度に思いをはせ、自分自身の心境や体調の変化を省みる良い機会になっています。

靖国神社の御朱印。2021年から新登場したばかりの刺しゅう御朱印。2020年と同じ3月14日に開花したが、雪だった前年とは異なり、ポカポカ陽気での開花
靖国神社の御朱印。2021年から新登場したばかりの刺しゅう御朱印。2020年と同じ3月14日に開花したが、雪だった前年とは異なり、ポカポカ陽気での開花
今月の季節の言葉
「余寒」

 寒の時期が終わる節分・立春を過ぎてもまだ続く寒さを「余寒(よかん)」といいます。今年は2月がずっと寒かったので余寒というより「続寒」といったほうがいい状況。ようやく2月が終わる頃に春の暖かさを味わえるようになってきました。

 3月は「日差しは暖か(むしろ暑さを感じて日焼けが気になることも)」「日陰は寒い」と、同じ場所に立っていても、日差しの有無や風の強さで体感温度が大きく変わります。朝晩と昼間の温度差だけでなく、日々の気温差も大きい時期です。この要因が「天気の周期変化」です。

 今年の2月中は冬型の気圧配置が長く続きました。冬型の気圧配置は「寒気を送り込む大陸の高気圧」が主役です。3月以降は高気圧と低気圧が交互にやってきます。まず、高気圧の種類は2月までのシベリア出身の「大陸に根ざす」ものではなく、出身地がもう少し南の揚子江付近で「移動性」が多くなります。低気圧は太平洋側を通るものと、日本海側を通るものがあり、太平洋側を通ると「冷たい雨」で日本海側を通ると「春一番型」となります。

2020年3月14日、ミゾレが降る中で開花発表された靖国神社の桜。南岸低気圧で冷たい雨が一時雪に変わり、午後3時の気温は1.9度。前日17.9度から16度も低くなった
2020年3月14日、ミゾレが降る中で開花発表された靖国神社の桜。南岸低気圧で冷たい雨が一時雪に変わり、午後3時の気温は1.9度。前日17.9度から16度も低くなった

 移動性の高気圧がやってくるときは、晴れてポカポカ陽気。高気圧が遠ざかる頃から雲が広がって、低気圧が来ると雨、低気圧が遠ざかると天気回復……という変化です。

 この中で、高気圧が大きい(勢力が強い)と晴天が長続きし、低気圧の勢力が強まると、風が強く荒れた天気になります。

 夏や冬のように「ずっと暑い」「ずっと寒い」ではないのが春と秋ですが、春の特徴は

1 4月半ばまで「寒い」時間が長い⇒晴れの日の朝や夜、曇りや雨の日の日中
2 晴れて暖かい日はうれしいけれど厄介⇒花粉に要注意
3 青空がかすみがち⇒花粉や黄砂、土ぼこりなどが要因

です。

 天気の周期変化が急だと荒天が予想されて、さまざまな注意が必要になります。よく花粉・強風・乾燥の「春の3K」が気象解説に出てきます。でも、私は荒天時に全国向けのラジオで「7Kに注意」を呼びかけることがあります。3Kに加えて、4.雷、5.高温(南風が吹く関東など太平洋側)、6.寒気による雪(山など)、7.黄砂、です。

 気持ちは春到来を大歓迎したいけれど、まだまだ注意が必要な時期。そんな中での「余寒」は風邪用心の言葉ですが、本格的な春、4月からの新年度・新生活に向けての「いい予感」に転じることを願っています。

文/伊藤みゆき 写真/伊藤さん提供