予報が充実するのを上回るかのように、大きな気象災害も増えています。2004年からは「気象庁が命名した甚大な気象災害(令和元年房総半島台風など)」が毎年のように発生し、今後も心配です。

気象予報士は年齢を重ねるにつれ、資格の強みが増す

 気象解説の仕事は、「目に見えない空気の流れ」を読んで、他人に納得してもらうことです。自分自身の視点や表現力などを磨く必要があり、資格以上の勉強につながります。

 この仕事をして実感しているのは「年齢を重ねるにつれて、資格自体の強みが増していく」ことです。恐れずにいえば女性キャスターのニーズには年齢などの壁があるのが現実です。でも、比較できる天気や季節が年々ストックできると、説得力が増し、予測に関する引き出しが増えることにつながります。「気象予報士」はライフワークとしては損のない資格といえます。ただ、気象現象に休みがないため、シフト制の仕事をこなせる体力維持も必要になります。

 気象予報士試験は合格がゴールではなく、新たな勉強へのスタート地点。その先に人それぞれのゴールが待っている……と思って私も日々模索しています。地震や火山噴火などと比べて、予想精度がかなり高くなっている中、「予報の基となる資料やデータを適切に扱い、防災面も的確に配慮できる人」という資格誕生の意義が一段と重要になっていると思います。

河川の氾濫の危険度 雷雲
洪水キキクル(左)と雷活動度(右)の画像(気象庁提供)。大雨による河川の氾濫の危険度や雷雲の様子が一目で分かる。自身に迫る危機情報を自ら取りにいくことが、より早い避難行動に結びつく

文/伊藤みゆき 写真/伊藤さん提供 図/気象庁提供