虹の見つけ方のコツ

 10年前に初めて時雨を経験して以来、北陸や東北、山陰などの旅先で時雨を味わってきましたが、なかなか「時雨虹」には遭遇できませんでした。時雨虹は文字通り時雨の時に出る虹です。

2020年11月28日に防災士講習会で訪れた福島県郡山市で見た時雨虹。虹が出る前は傘が役に立たないほどの大雨。大粒の雨を降らせた雲が遠ざかった時に虹を残してくれた
2020年11月28日に防災士講習会で訪れた福島県郡山市で見た時雨虹。虹が出る前は傘が役に立たないほどの大雨。大粒の雨を降らせた雲が遠ざかった時に虹を残してくれた

 「虹」といえば夏の季語です。夕立の後に現れる頻度が高く、「虹といえば夏」と思う人も多いことでしょう。ところが「時雨虹」は冬の季語。これからが最盛期となります。

 夏も冬も、虹を見つけるには、コツがあることをご存じでしょうか。それは「3要素がそろった時」です。

1.自分の前方で雨
2.自分の後方から日差し
3.太陽の位置が低め(高いと見られない)

 夏だと朝や夕方の太陽が低い時間帯、晴れと雨が隣り合わせる「雨のち晴れ」のタイミング、つまり夕立に代表される気象状況となります。

 続いて、時雨虹の場合を検証してみましょう。時雨は雨と晴れが小刻みに変わるので、1と2を満たすタイミングが何度も来ます。さらに、晩秋から初冬は夏よりも太陽高度が低く、昼間にも3が満たされる……むしろ、夏よりも虹を見られるチャンスが多いといえます。

 ただ、時雨虹は冬本番の前、雪ではなく雨が降る時期に限定された現象です。なぜなら虹は太陽の光が雨粒の中で屈折・反射することで現れますが(大粒の雨のほうがよりクッキリとした虹に)、雪の中では屈折・反射ができないので降雪時は虹が現れません。もちろん真冬の北海道でも、雪ではなく雨が降れば虹が出ることもあります。

 虹は暦の名称にも登場しています。二十四節気(春夏秋冬の4つの季節を6つに分けた24の季節の区分、「立冬」「春分」などがある)をさらに3つに分けた七十二候(72の季節の区分)には「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」という名称の候があります。これは二十四節気の「小雪(しょうせつ)」と同じ日で、今年は11月22日です。気温が低くなることで、大粒の雨が降らなくなり、雨ではなく雪が降るようになると虹が見られなくなることを示しています。また、気温が高くなる4月半ばには「虹始見(にじはじめてあらわる)」という候があります。