気象データを見ると、肌へのダメージ蓄積度が分かる

 日本海側を中心に時雨虹が見られるようになると、冬近し。

 そうなると日本海側は雨雪で降水量が増える一方、太平洋側はカラカラに乾燥し、肌荒れに悩まされるシーズンが到来します。美肌を保つには夏の紫外線が大敵ですが、冬の乾燥も手ごわいですよね。私は気象予報士として気象データを見たとき「肌へのダメージの蓄積」にがくぜんとしました。

 美肌の面だけを見れば、日差しが少なく空気が潤っているほうが好条件、東京の「毎日晴れて空気カラカラ」というのは悪条件といえます。

 例えば、太平洋側の東京と、日本海側の新潟の12月のデータ(平年値)のうち、日照時間を比較してみましょう。差は歴然です。

月間日照時間
東京…174.4時間(最短は102.3時間、1929年)
新潟…62.9時間(最長は95.3時間、1934年)

日照時間が日中の4割以上あった日数
東京…21.7日
新潟…5.8日

雲量が1.5未満でよく晴れている状態の日数
東京…7.3日
新潟…0.2日
※雲量は空全体における雲の割合のこと、最高は10。

 さらに湿度の差も大きいです。新潟は最も乾いた日でも2000年12月23日の湿度31%。一方、東京の乾燥した日のトップ10は、湿度10%~13%が占めていて、30%台はランク外です。

 「北陸の冬は日差しが少なくて気持ちもどんよりする」と聞くことがありますが、そう話す北陸育ちの友人たちは概して色白できめが細かい……気の置けないリモート飲み会のPC画面越しでも「映え」に差が出ている気がします。個人差や体質、肌のお手入れ方法でも異なるでしょうが、これまで過ごしてきた冬の気象環境の積み重ねが今になって出ているのでは……とちょっと心がざわついています。

 空気が乾く太平洋側は、そろそろ本格的な保湿ケアを。そして、空気の乾きのサインが時雨虹です。SNSなどで「虹が見えた」と話題になっていたら、要注意です。

2020年12月13日 出張先の能登半島で見られた時雨虹。うれしくて移動のタクシーの運転手さんに話すと「この辺はしょっちゅう出るよ~」と、虹よりも虹を喜ぶ私を珍しがっていました
2020年12月13日 出張先の能登半島で見られた時雨虹。うれしくて移動のタクシーの運転手さんに話すと「この辺はしょっちゅう出るよ~」と、虹よりも虹を喜ぶ私を珍しがっていました

 今年は上空に強い寒気が流れ込み、一時的に冬型の気圧配置になった10月20日の朝に、すでに新潟県・長野県・群馬県・岐阜県・大分県で時雨虹が見られたようです。時雨になった日本海側を中心に「虹が出ています」と私のラジオ番組のリスナーさんからの報告が相次ぎました。一方、太平洋側の東京では冬晴れのような真っ青な空が広がり、今季初めて真っ白な富士山が見えました。

 本格的な冬が来る前、晩秋から初冬限定の時雨虹。天気予報で「上空の寒気」「冬型」などのキーワードを聞いたら、日本海側や内陸部の人はぜひ、虹をパトロールしてみてください。そして寒さに気を付けて、冬への準備も進めておきましょう。