あけましておめでとうございます。この記事が公開される1月5日は二十四節気の「小寒(しょうかん)」。「立春」前日の節分(2月3日)までが寒中で最も寒い時期とされています。暦の春まであと1カ月、とはいえこれから寒さが厳しくなる……。気象予報士・伊藤みゆきさんが、今回はそんな時期の「花」を2つ紹介します。
早春の梅の素晴らしさ
今回紹介する花の一つ目が、早春の花「梅」です。気象予報士になって改めて感心したことの一つが「梅の素晴らしさ」。ちょっと持ち上げすぎですが、早春から夏に向けて私たちの生活にとても密接な花なんです。
まず、まだ寒いうちにつぼみがほころんで、私たちの心に「春の気配」を知らせてくれます。その後、桜をはじめ色とりどりの花が咲き、5月の新緑の季節を迎えた頃、梅の木は小さな実を付けています。この実が大きくなり熟す頃が6月の「梅雨」。長雨の名前の由来にもなっています。
熟した実は梅酒や梅干し用に漬けられて7月下旬の梅雨明けを待ちます。梅雨明け直後の晴天はまさに「梅干し日和」、出来上がった梅干しは、真夏の熱中症予防の強い味方(塩分補給)になります。というように、梅にはつぼみの段階から干された実までお世話になっています。
以前、真夏の京都・北野天満宮を訪ねた時、「大福梅」の申し込みを行っていました。大福梅は12月13日の事始めから授与が始まり、新年にお茶や白湯に入れて飲む縁起物になるとのこと…注文してみました。