(3)「いいけど」の先に何が続く? 実は「いい」と思っていない

── 3つ目は「いいけど」です。これは聞いたとたん、「よくないんだな」と反射的に感じてしまいます。

大野 「けど」は逆説の接続詞ですから、何か納得できない思いがある、何とか折り合いをつけようとしている、といった状態です。私も企業内カウンセラーとしていろんな人をカウンセリングしますが、相談者が「その件はもういいんですけど」などと「けど」を使った場合は、注意深く相手の話を聞くようにしています。

 このケースは、口では「いいけど」と言っても本心では「よくない」と思っています。この言葉が出たら、「本当にこの進め方でいいですか?」「この解釈で合っていますか?」と、その場できちんと確認したほうがいいですね。そうしないと、後で蒸し返される可能性があります。

 もし、「けど」が自分の口癖になっているようなら、周囲から「この人はぜんぜん本心を話さないな」「モヤッとさせるな」と思われているかもしれないので、要注意です。「もう少し分かりやすく説明してくれるといいんだけど(=要求)」「もっと早く言ってくれたらよかったんだけど(=責任転嫁)」「どうせ無理だろうけど(=軽蔑)」「そろそろ終わりにしてほしいんだけど(=圧力)」「あの人、いい人なんだけど(=中傷)」などといろんなパターンがありますが、使わないように気をつけましょう。

(4)「そういえば私も」と割り込まれたらいったんブロック

── 4つ目は「そういえば、私もこんなことがあって……」と話を遮られることです。同僚や先輩に自分の相談をしていたはずが、「そういえば前に私もこんなことがあって」「っていうか、その場合はこういうことなんじゃないの?」と話者が交代したり、いつの間にか相手の話(時には成功体験)を聞かされたりすることにモヤッとする人もいるのではないでしょうか。

大野 みんな、「自分の話を途中で取られる」「遮られる」とイラッとするし、傷つきますよね。「結局、自分の話は何も聞いてもらえなかった」「何も言いたいことが言えなかったな」とフラストレーションもたまります。

 この場合は、いったん「ご意見をうかがいたいので、まずは最後まで聞いてもらっていいですか」と穏やかに伝えましょう。逆に自分が相手の話を聞いていて何か発言したくなったら、「そういえば私にもこんなことがあったので、話してもいいですか」と確認する気遣いをしたいところですね。その話したい内容が相手にとって役立つものなのか、共有したいものなのかも考えてから話しましょう。

(5)「させていただきます」は丁寧語? 多用は恩着せがましい印象に

── 5つ目は「させていただきます」です。仕事でよく耳にしますし、ふと気づくと自分もメールで頻発していることもあります。

大野 「させていただきます」は、「させてもらう」の謙譲語と、「何かの許可をもらう、恩恵を受ける」といった2つの条件を満たしたときに使う言葉です。だから、病欠などで会社を休む場合、上司に「本日、お休みさせていただきます」というのは正しい使い方ですね。でも、それ以外で丁寧な言い方にしようと思って「させていただきます」を使い過ぎると長くなったり、回りくどくなったり。多用すると、恩着せがましいニュアンスが出てしまいます。ビジネスの場ではシンプルに、伝わりやすくするのが大事ですから、「いたします」で十分です。