(5)「ジョイン」「パワーランチ」 意識高い系の言葉をプライベートで聞いたら?

── 5つ目は意識高い系の言葉というか、ビジネスで使う言葉をプライベートで聞くと何となく疲れます。ただ会うだけなのに「Aさんと会うけどジョインする?」、お昼を食べるだけなのに「パワーランチ」……別に普通に「会わない?」でいいと思うのですが。

吉原 相手の言葉にモヤッとする場合、意思表示として「自分はその言葉を使わない」という手があります。話すときでも、メッセージの返信でも「ジョイン」と言われたら、「ありがとう。ぜひ参加させて」と返事をしましょう。そうすると聴覚や視覚に訴えて、相手の言葉に支配をされることを防ぎます。

 意識高い系の言葉とはまた違いますが、敬語を使わない人、ちょっと言葉が雑な人もいますよね。その場合も自分は「マジで」は「本当に」、「めっちゃ」は「すごく」と返しましょう。ただし、その場が険悪にならないように明るく、さらっと言えるといいですね。

自分がモヤッとする相手の言葉を想定し、具体的な返答を用意しておくといい。「何回もシミュレーションするうちに、『来た来た、この言葉ね!』とうまく打ち返せるようになりますよ」(吉原さん)
自分がモヤッとする相手の言葉を想定し、具体的な返答を用意しておくといい。「何回もシミュレーションするうちに、『来た来た、この言葉ね!』とうまく打ち返せるようになりますよ」(吉原さん)

相手の価値観や言葉は直せない 「返答集」で予防線を

── 具体的な切り返し方をありがとうございます。そうすると、モヤッとする言葉を言う相手には「自分が使ってほしい言葉」を返していくのが有効でしょうか。

吉原 それも対処法の1つですが、大前提として「相手と自分は全く違う人間」だと分かっておくべきです。知人はもちろん、友人や家族であっても違います。だから価値観も異なるし、発する言葉も違うのです。

 相手からモヤッとする言葉を言われて、しかも口ごもって答えられない、作り笑いでごまかしてしまうとなると、余計にストレスがたまりますよね。でも、堂々と打ち返すことができれば、相手も「この人は自分の意見を持っているな」と一目置くでしょう。

 相手の言葉をはねのけるには、「この人はこういう言葉を発しがちだから、こう来たらこう返そう」という受け答えのバリエーションを増やすのが効果的です。例えば、「この話、知らないんだ」と言われたら、「うん、ぜひ教えて!」「さすが、詳しいんだね」という会話をシミュレーションし、返答集をつくっておきましょう。

 返答集をつくるときは、

・誰と会うか
・その人のどんな発言にモヤッとするかを突き止める(例えば、無神経な発言にモヤッとする、押しつけがましい発言が苦手など)
・相手のどんな言葉に傷つきそうか、それに対してどう返すかをシミュレーションする(例えば「まだ結婚しないの?」と言われたら「『まだ』って失礼だよね(笑)」「この前も聞かれたばかりだから、そんなにすぐには無理だよ」、「ちゃんと将来のことを考えてる?」と言われたら「自分なりにちゃんと考えてるよ」と返すなど)

 こちらを声に出して練習するといいですよ。

 日ごろから声に出して練習しておくと、自分の名前や住所をすらすら言えるのと同じように、口ごもりません。「モヤッとする相手にも堂々と受け答えができた」と自信もつきます。

 ぜひ「返答集」を準備して、モヤッとする言葉に予防線を張ってください。

前編・職場でのモヤッとする言葉 「曖昧」は具体的に確認
後編・知人からのモヤる言葉には「返答集」で対策を ←今回はココ

取材・文/三浦香代子(日経xwoman) イメージ写真/PIXTA

吉原珠央
イメージコンサルタント
吉原珠央 プレゼンテーション、コミュニケーションをメインとしたコンサルティングを行うほか、「体感して学ぶ」という独自のメソッドで企業研修や講演を実施。また、「ストレスフリー」をコンセプトにした化粧品、ファッションアイテムを扱う「PURA Tokyo」を立ち上げ、経営。『その言い方は「失礼」です!』(幻冬舎)、『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』(幻冬舎)など著書多数。公式HP