オーソドックスな勉強会から巻き込み型に
A2は部門横断の社内研修で出会った仲間たちが「もっと社内の魅力的な仲間たちとつながりたい」と意気投合した結果、「勉強会」という形でスタートした。
最初は幹事役を設け、月に1回、10数人程度のメンバーで部門紹介をしたり、仕事術を学んだりという「オーソドックスな勉強会」だったという。
しかし、回を重ねるごとに、あえて本業ど真ん中ではなくともビジネスパーソンとして知っておくべき知識を身に付けるため、幅広く「巻き込み型のプログラム」を開催するように。例えばSDGsの専門家を呼んで情報をキャッチアップしたり、日本橋に拠点のある企業とともにSDGsについてカードゲームで学んだりした。
A2の活動を続ける中で、社内の仲間がそれぞれの夢や思いを持っていることも分かった。そうした「個の思い」を達成することが、A2のビジョンである「アステラス製薬の価値向上を通じて社会に貢献する」につながると強く感じたことから、A2の存在意義も「個の思いを実現するためのプラットフォーム」へと変わってきた。
「アステラス製薬は人の命に関わる医薬品を扱う会社ですから、やはり社員一人ひとりも人の役に立ちたい、社会に貢献したいという思いを持っています。それが自分自身の本業であろうと、本業以外のところであろうと、アステラス製薬を通して自分の『Will』を達成する場としてA2があります。そして、達成した喜びをメンバーと分かち合うことで『自分にもできるはず』というポジティブな連鎖を生み出しています」(村上さん)

「中には自分のWillを持ちながらもどうしたらいいか分からない、その勇気が持てないというメンバーもいます。でも、A2ではとにかく一歩動きだすことが楽しい、それが称賛されることが当たり前という土壌をつくりだしています。心理的安全性が担保されたプラットフォームなんです」(西浜さん)
継続的な活動のため、新入社員をはじめとした若手社員にも積極的に声をかけているのもA2の特徴だ。
中井利恵さんは14年入社。開発本部で治験マネジメントなどに携わり、A2には17年から参加した。
「社外取締役(17年当時)だった岡島悦子さんの『40歳が社長になる日』という著書に関するA2主催の講演会に誘われたのが最初でした。それまで開発本部の若手だけで勉強会をすることもあったのですが、そちらは専門性を深めていくもの。でも、A2の活動はクロスファンクショナルで、いろんな視点を持った人、情熱的な人がいて刺激的でした。社内にこんなグループがあるんだと驚きでした」(中井さん)