その国ごとの「How to Be a Woman」がある

モラン 2011年に『How to Be a Woman』を出版したら1年間ランキング10位に残り続けて、ミリオンセラーになりました。その結果、「私はフェミニストになる!」と手を挙げてくれた女性をたくさん見てきました。「feminism」ってロゴが入ったTシャツを着るとか、フェミニズムについて研究するクラブ活動を学校に作ったとか、たくさんの反響があったんです。学術的なルールもないし、難解な言葉も使っていないけど、ただ読んでいて面白くて、簡単に取り入れられて、かつ生活がより良くなるためのものなのだと多くの女性に受け止めてもらえたからだと思っています。

 ただ、この本が英国でヒットしたのは、やはりブリティッシュユーモアが満載で女性たちに響いたからでしょうね。日本が抱えている問題は英国とはちょっと違うだろうし、どのような存在が好かれるとか文化の捉え方も異なるはずなので、日本でも他の国でも、その国ごとの「How to Be a Woman」があればいいと思います。誰か書いてくれる人いないかしら、私は20%だけ取り分をもらえたらいいので(笑)。

── 英国はフェミニズムや男女平等において日本より進んでいる印象を受けます。モランさんがこのフィールドを約30年見てきた中で、どのように理解が進んで変化が生じたと感じていますか?

モラン 国会には素晴らしい仕事をしてくれる議員もいますし、目に見えた形での法整備もなされていますが、求めているほどには進歩していないと感じますね。それに反してTVの世界では目覚ましい変化が起こっています。ここ数年では『FLEABAG フリーバッグ』『キリング・イヴ/KILLING EVE』『I may destroy you』といった製作スタッフやキャストを女性で固めたドラマが躍進しました。男性による男性視点の物語はもはや語りつくされていて、男性が1人も見なくたってヒットする作品が作れることに気がついたのかもしれませんね。だって当たり前ですよ、(英国の)人口の半数以上は女性なんだから。それに気づくのに100年かかったのはどうかと思うけど(笑)。