東京オリンピックの閉会式と東京パラリンピックの開会式にパフォーマーとして登場した義足モデルの海音(あまね)さん(20歳)。モデルやアイドルとして活躍していた12歳のときに難病を発症し、右脚の膝下を切断する手術を受けました。義足モデルとして再び表舞台に立つことを選んだ背景や個性を生かして働くことについて、海音さんと、母でありマネージャーとして海音さんをサポートする奈美さんに聞きました。
5歳でモデルデビュー 家族も応援
編集部(以下、――) 5歳からモデル活動を始めているんですよね。どのような経緯で芸能界に入ったのでしょうか。
海音さん(以下、海音) よく買っていたファッションブランドがフォトコンテストを開催していて、店員さんに「参加してみない?」と誘われたことがきっかけです。洋服が好きだったので、試しに受けてみました。そしたら入賞し、そのブランドの専属モデルになることができたんです。その後、芸能事務所に入り、ほかの仕事も受けるようになりました。
奈美さん(以下、奈美) 海音は小さい頃から人見知りで、目を合わせてあいさつすることもできない子でした。だから習い事というか、芸能活動を通じて社会性を身に付けてほしいという思いもあり、反対はしませんでした。
―― 10歳のときには、アイドルグループのメンバーになるんですよね。
海音 芸能事務所のスタッフから、「アイドルをやってみないか?」という誘いを受けて加入しました。アイドルを目指していたわけではなかったのですが、負けず嫌いなので声をかけてもらえたからには全力で応えたいと思って。
既にあるグループに途中で入ったため、ほかのメンバーとは実力に差があったのですが、1カ月で15曲の歌とダンスを覚えてライブに臨みました。本当に、負けず嫌いなんです(笑)。