ダイエットや生活習慣病予防のためには「炭水化物とどう付き合うか」は大きな問題。近年、全粒穀物の健康効果が注目される中、お米を主食とする日本人の私たちが今こそ注目したいのが「玄米」だ。食品の健康効果の最新エビデンスに詳しく、著書も数多く手掛ける医師の津川友介さんは、「玄米はもっとスポットライトを浴びていい食品であることがわかってきた」と話す。本特集では、毎日の食事で老化を防ぐ玄米パワーの秘密と、食べ方の新提案をお届けする。

玄米の注目ポイント

 ダイエットや肉体改造を目的とした「糖質オフ」ブームもあり、ここ数年、炭水化物の摂取を減らす人が増えているが、米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部准教授で医師の津川友介さんは、「健康に長生きするには、炭水化物の摂取が多すぎても少なすぎてもよくないということが明らかになってきた。炭水化物摂取量を極端に減らすべきではない」という。

糖質はとりすぎても少なすぎても死亡リスクが高まる
糖質はとりすぎても少なすぎても死亡リスクが高まる
国立国際医療研究センターや国立がん研究センターによる日本人9万人超を約17年間追跡した大規模調査(JPHC研究)。食事中の炭水化物の割合を5段階に分け、一番少ない群を1として死亡リスクを比較したところ、炭水化物量が少なくても、多くても死亡リスクが上昇することが確認された(データ:Clin Nutr.2021 Apr:40(4):2016-2024)

 炭水化物好きにとってはうれしいことだが、とり方には注意も必要なよう。「炭水化物は種類によって体に与える影響が全く違う。白米や小麦粉などの精製された”白い穀類”は食後血糖値を上げやすく、たくさん食べているほど糖尿病のリスクが高く、死亡率も高い」(津川さん)。