近年、玄米や全粒粉などの未精製の“茶色い炭水化物”の健康効果が注目されている。日本人の私たちが注目したいのが「玄米」だ。白米を玄米に変えると血糖値とインスリン分泌量が減るだけでなく、血管内皮の状態を改善するという報告もある。玄米パワーの詳細と、食べ方の新提案をお届けする本特集。後編では、玄米と組み合わせて取り入れたい注目の食材と、“手間いらず”で作れる「おむすびサンド」のレシピを紹介しよう。
野菜、豆、魚をよく食べ 肉やバターはほどほどに
前回紹介したように、近年、玄米や全粒粉などの未精製の“茶色い炭水化物”の健康効果が注目されている。白米や小麦粉などの精製された”白い穀類”は、たくさんたべるほど糖尿病リスクや死亡率が上がる一方、茶色い炭水化物は、たくさん食べるほど糖尿病のリスクが低く、大腸がんのリスクや死亡率も低いと報告されている。
では、茶色い炭水化物のほかは、何を食べればいいのだろうか?
米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部准教授で医師の津川友介さんは、「野菜や果物、魚、オリーブオイル、ナッツ類などは、たくさん食べるほど健康に近づき、肉やその加工品、バターなどに多い飽和脂肪酸は、食べ過ぎると死亡率を高めることがわかっている」という。
イタリアやギリシャなど地中海沿岸の国々の人が食べている「地中海食」が健康食だといわれるのは、「野菜、果物、豆、魚をよく食べて、肉はあまり食べない」という理想的な食べ方に近いからだ。日本でも長寿者の多い丹後地域などの食事には、地中海食との共通点が多いということもわかってきた(下表)。

東西共通して健康食とされるこれらの食材がどういいのか。それぞれの健康効果を、玄米ご飯に混ぜて、のせて、挟むだけでいい、“にぎる手間いらず”の「おむすびサンド」と合わせて紹介していこう。