危険ないびき、睡眠時無呼吸症候群だった場合、どんな治療法があるのか。主な治療法を解説する。症状が重度ではない人はマウスピースから治療を始める人が多いようだ。
覚えておきたい「いびき」の基本と対策
・更年期以降増えるいびき、認知症やうつにつながることも
・危険ないびきの治療法 まずはマウスピースから ←今回はココ
・いびきのセルフケア 枕の高さ調整も
睡眠時に装置を装着、原因により外科的手術も
さまざまな病気のリスクにもつながる危険ないびき、睡眠時無呼吸症候群。
閉経後に睡眠時無呼吸症候群リスクが上がる一因が女性ホルモン(プロゲステロン=黄体ホルモン)の減少だ。プロゲステロンには気道を広げ舌の落ち込みを防ぐ、オトガイ舌筋などの筋肉の活動を高める働きがあるが、更年期以降、分泌が低下すると筋活動が低下、気道が狭まりやすくなる。
睡眠時無呼吸症候群の場合、「いびきに加え、以前と睡眠時間は変わっていないのに日中の眠気や倦怠感が強い、という自覚症状が気づくポイントになる」と青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹さんは話す。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、
1)寝るときに鼻マスクのCPAP(シーパップ)を装着する
2)睡眠中に口腔内装置(マウスピース)をつける
3)外科的手術をする
の3つがある。
「睡眠ポリグラフ検査」で確認した「無呼吸・低呼吸指数:AHI(睡眠1時間当たりの回数)」が20回以上だとCPAP、20回未満で5回以上だと口腔内装置が治療の第一選択となり、いずれも保険が適用される。
「CPAPもマウスピースも、睡眠中に舌が落ちて気道を塞ぐという無呼吸の原因を物理的に改善する方法という点では共通している」と中村さん。
世界的にも有効性が認められているCPAPだが、器具の使用感から続かない人もいる。その場合や、症状が重度ではない人はマウスピースから治療を始める人が多い。マウスピースは寝るときに上下の歯の間に固定し、下あごを少し前に引き出すことで舌も一緒に持ち上げて気道の閉塞を防ぐもの。専門の歯科医に作ってもらう。これらの治療で効果が見込めない場合は外科的手術が検討される。
具体的に紹介しよう。