更年期のつらい症状を和らげる、治療法およびセルフケアがあります。ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、そしてエクオールです。それぞれどんな人が向いているのか、安全性は?と気になる点をまとめました。
誰にでもくる更年期を上手に乗り切る「閉経の真実」
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1日~1週間ほどで効果がわかる「ホルモン補充療法(HRT)」
エストロゲンの急降下による影響を緩和。症状を軽くし、老化を防ぐ
閉経前後の急激なエストロゲンの減少によって引き起こされるさまざまな更年期症状。その治療の中心となるのが、少量のエストロゲンを補う「ホルモン補充療法(HRT)」だ。早ければ1日~1週間程度でほてりなど更年期特有の症状改善効果を実感できる。
「HRTを暖房器具に例えるなら、ガスファンヒーターや石油ストーブ。高い機動力で激減したエストロゲンの下支えをして、症状を緩和。更年期症状全般に即効性があるほか、骨粗しょう症や動脈硬化、アルツハイマー型認知症などの予防効果も期待できる」(八田院長)
子宮摘出などをしていない場合、エストロゲンを単体で投与すると子宮体がんなどのリスクが上昇するため、黄体ホルモンを併用する。製剤の種類は貼り薬、塗り薬、のみ薬などがある。
「いずれも体への負担を軽減できるように進化してきているが、最適な投与法は、閉経間近かどうかや症状の強さ、子宮摘出の有無などによって異なる。HRTを受けたいと思ったら、まずは婦人科などで検査を受けて、今の自分の体の状態の確認を」(八田院長)