3回にわたって紹介してきた「閉経の真実」。病院に行くほどではないけれど、気になる更年期の不調がある場合、どうすればいいのでしょうか。そういったときに役立つセルフケアを理学療法士の半田瞳さんに聞きました。カギは筋膜です。

誰にでもくる更年期を上手に乗り切る「閉経の真実」
閉経の基礎知識 関節に影響するエストロゲンに注目【1】
手の痛みや不正出血…閉経前後は、病院に行くべき?【2】
ホルモン補充、漢方など、更年期の3大対策はどう選ぶ?【3】
・尿もれ、不眠、手のこわばり…更年期に役立つ筋膜ケア【4】←今回はココ

運動には更年期症状の改善効果が

 就寝前10分間のストレッチで日本人女性の更年期症状や抑うつ症状が低下されたことを示唆する研究(※)をはじめ、有酸素運動や筋トレによる更年期症状の改善効果については多くの報告がある。

 筋力アップや骨密度の維持向上、ストレス解消など運動習慣がもたらす効果は幅広い。閉経前後の不調対策はもちろん、生活習慣病予防のためにも継続することが重要だ。

※(データ:Menopause. 2016 Aug; 23(8): 827-832.)

 それ以外に、尿もれや不眠、手のこわばりといった不調の対策となる筋膜ケアも覚えておくといいだろう。

 全身に張り巡らされる、筋肉を包む膜「筋膜」。

ここにエストロゲン受容体が存在し、閉経前後の不調と関係があることが近年の研究でわかってきた」と話すのは理学療法士で、筋膜調整サロン「TRIGGER(トリガー)」セラピストの半田瞳さん。

「骨盤底筋の働きに関わる筋膜の滑りをよくする体操などを1カ月以上続けることで、尿もれや不眠などの不調を改善できる」(半田さん)。

 そこで、半田さんに教わった方法を次ページから紹介する。