人気放送作家で経営者で1児のママであるたむらようこさんは、12年前のある日、子宮頸(けい)がんと診断されました。治療は? 仕事は? 子どもはどうなるの? 戸惑いながら向き合った自身の体験をつづったマンガ&エッセー連載が始まります。
【第1話】【マンガ】まさかの!がんになりました たむらようこ ←今回はココ
【第2話】【マンガ】がんの不安も吹っ飛ぶ妹の一言 たむらようこ
【第3話】【マンガ】子宮頸がんって誤解されてる? たむらようこ
【第4話】【マンガ】言い方!耳を疑う医師の言葉 たむらようこ
【第5話】【マンガ】がんと闘わないと決めたワケ たむらようこ
がんになったときにわたしが読みたかった「体験談」
あれは12年前のこと。わたしはがんになりました。息子は1歳5カ月の甘え盛り。まだ授乳中でもありました。この子を残して死ぬわけにいかない!
わたしが一番にしたことは……同じステージで10年後も生きている人を検索すること! 5年後に生きている人は? 10年後に元気な人は?
しかし同じステージの人の当時のブログは途中で終わっているものが多かったのです。これからわたしにどんなことが起こるのか? どんな気持ちになるの? どうやって治っていくの? 仕事には復帰できるのでしょうか? わたしは誰かの体験談をとても欲していました。
そしてこう思ったのです。「もしも、わたしが10年後も生きていられたら、誰かに体験を共有したい」と。
月日は流れ……ついに実現したのがこの連載です。12月にはコミックエッセーとして発行される予定です。あの頃のわたしが読みたかった体験談。
例えば放射線治療。副作用について隅から隅まで調べて治療を受けたつもりでしたが思わぬ誤算が。下の毛が1本残らず抜けた〜!! 聞いてないよー!!
そう、がんの治療は体験してみないと分からないことだらけ! 入院もしてみないと分からないことだらけ! 苦しかったことも、うれしかったことも、知っておきたいあんなこともこんなことも。覚えている限り、このエッセーに書きます。
わたしの体験が誰かの役に立ちますように!